マイナンバー制度の開始に伴い、海外居住者が日本国内の自分の口座に送金できないという問題がネット上で話題となっています。1年以上海外に赴任する人は、原則として住民票を抜く必要があるのですが、住民票がない人にはマイナンバーが交付されないことが原因のようです。内閣府では、こうした事態を受け、マイナンバーがないことのみを理由に送金をストップすることはないとの見解を示していますが、銀行への正式な届出が必要とのただし書きがあり、どのような条件で送金できるのかははっきりしません。

海外居住者が自分の口座に送金できないという報告相次ぐ 原因は何だ?(画像:アフロ)

 ネット上では、マイナンバーが交付されなかった海外居住者が、国内にある自分の口座にお金を送金しようとすると、マイナンバーがないため送金を拒否されてしまったとの報告が相次いでいます。一方、送金できたという報告もあり、すべてが不可能というわけではなさそうです。

 銀行業界では、マイナンバー制度の導入に伴い、投資信託の買付、NISA(少額投資非課税制度)口座の開設、海外送金などの際にマイナンバーの提示を求めることを正式に決定しています。このためほとんどの銀行では、マイナンバーがない場合には、たとえ本人からの送金であっても受け付けないという状況が発生するものと思われます。

 現行法においてマイナンバーは、海外赴任者など日本に住民票を置いていない人には交付されませんから、こうした問題が発生することは十分に考えられます。

 これまで海外赴任する人については、国内に存在する口座は原則として閉じることが大前提となっていました。大企業のエリート社員が会社丸抱えで海外赴任し、現地ではメイド付きの家に住むという昭和の時代でしたら、こうした原則も通用したかもしれません。しかし、今では海外で生活する人は130万人に達しており、この中には、生活費を稼ぐためアジアに就職した人や、技術指導で途上国に長く住む人、社員十数人の零細飲食店でたった一人、現地出店を任された人など様々なケースが存在します。こうした人達は、会社から私生活をすべてサポートしてもらうことはできません。