国税庁の穂人番号公表サイト

 厚生労働省(以下、厚労省)は2016年4月から、企業版マイナンバー(以下、法人番号)を活用し、厚生年金未加入の企業の特定作業を行う見通しです 。

 これは、厚生年金適用条件を満たしているにも関わらず、未加入となっている人が約200万人に上る問題の解決をめざすもの 。国税庁から法人番号のデータ提供を受け、保険料を支払う企業の法人番号と照らし合わせて未加入の企業を照合するそうです。

 ところで、企業の照合に使われる「法人番号」とは、一体どのようなものなのでしょうか。あらためておさらいしてみましょう。

そもそも法人番号とは

 今年からスタートしたマイナンバー制度は、私たち一人ひとりに個人番号が割り当てられただけでなく、企業にも法人番号が割り振られています。15年10月から1法人1つの法人番号(13桁)が登記上の所在地に通知されました。個人番号とは異なり、原則として法人番号公表サイトでその情報が公表され、利用範囲の制約がないので誰でも自由にこの番号を使えるのが特徴です。そのため、行政や民間で幅広い活用が期待されています。

法人番号の活用で期待されているメリット

 具体的にはどのような活用が期待されているのか、志村経営労務事務所の川島一朗さんに聞いてみました。

 「今回報じられたように、法人番号は厚生年金や雇用保険への加入漏れを防ぐのに大きな役割を果たすといえるでしょう。というのも、従来であれば、納税は税務署、社会保険の適用は年金事務所や健保組合、労働保険・雇用保険の適用は労基署やハローワークといったように、それぞれの行政機関がそれぞれの分野の管理・監督を行っていました。そのため、加入漏れを発見できず、放置されているケースがありました。各行政機関が会社の情報を共有することで、そのような不公平を解消し、税制や社会保障分野での給付と負担の適正化が見込まれています」(川島さん 以下同)

 また、法人番号は企業側にもメリットがあります。いままでは各種手続きの際に該当する行政機関へ、登記簿謄本などのさまざまな書類の提出が必要となる場面が多々ありました。しかし、法人番号を活用することで、そういった提出書類が簡略化され、手続きの一本化が期待できます。つまり、行政手続きの負担軽減につながるのです。

 「さらに、民間企業での利用については、取引先企業やグループ会社を法人番号で統一して管理すれば、名称や所在地といった企業情報の紐づけが容易になり、関係部署や会社間でその情報を共有しやすくなります。ほか、法人番号公表サイトを使い、同一地域での新規営業先の抽出ができるといった使い方も考えられます」

 利用範囲の規定がないことで、悪用される恐れはないのでしょうか?

 「利用方法が多様化すれば、悪用方法も広がっていく可能性は否定できません。しかし、個人情報と違い、もともと会社の情報は広く公開されています。現時点では、特に法人番号だけについての悪用ということはあまり考えられないと思います」