米国経済=世界経済と言っても過言ではない(写真はイメージ、提供:アフロ)

 米国経済を読むことは世界経済を読むこと、といっても過言ではありません。実際、世界経済の約1/4を占める米国経済は世界経済の成長率に大きな影響を与えます。

 それゆえ、米国経済に対する見方が楽観的なときは、世界的に金融市場の動きが楽観的になりますし、反対に悲観的な方向に傾いた場合、金融市場は大荒れとなります。

いちばんわかりやすいマーケット予想

米国の実質GDP成長率の推移

 言うまでもありませんが、米国経済の動向を読むことは株価や為替を予想するうえで非常に重要なポイントになります。そこで今回はアメリカ経済をチェックするうえで重視すべき3つの経済指標を紹介します。いずれもサーベイ(≒アンケート)指標で速報性に優れているという特徴があるので、投資家が重視する指標です。

製造業約400社のアンケート結果の速報「ISM製造業景況指数」

ISM製造業景況指数の推移

 この指標はISM(Institute for Supply Management)という団体が製造業約400社に対してアンケートを実施。その結果を指数化したものです。

 毎月、第1営業日に公表され、速報性に優れているため、多くの市場参加者が重宝しています。調査は、企業の担当者に対して生産高、新規受注、雇用、在庫などが前の月に比べてどのように変動したのかをヒアリングします。いわゆるヘッドラインの数値をPMIと言い、50が生産活動の拡大・縮小の分岐点になります。PMIの算出方法はいたってシンプル。回答者は生産、新規受注など各項目について自社の実績を「改善」・「不変」・「悪化」から選択。それぞれに1:0.5:0というウエィトをかけて計算します。改善の割合が45%、不変の割合が20%、悪化の割合が35%ならPMIは55と計算され、長期平均(1980年以降)は51.5です。

 直近3カ月平均は48.6と50および長期平均を下回っています。これはエネルギー関連の投資が激減していることに加え、ドル高で生産活動が阻害されていることが背景にあります。近年は経済全体に占める製造業の割
合が低下しているため、製造業部門の不況が米国全体の不況を意味するとは限りませんが、製造業部門が景気の波を作りだすという構図そのものに変化はありません。そのため、この指標は景気のサイクルを読むうえで、貴重なヒントを与えてくれます。このままISM指数が50を下回って推移するようだと、米国経済に対する不安が増幅され、金融市場の混乱が誘発される可能性が高まります。