開幕を直前に控えたプロ野球界に衝撃が走った。
巨人が8日夜に東京・大手町の読売新聞本社で緊急会見を開き、高木京介投手(26)が野球賭博に関与した疑いがあることを発表。NPBへの告発と同時に、高木は当面は謹慎処分、そして一連の賭博問題に関する引責の形で渡辺恒雄・最高顧問、白石興二郎・オーナー、桃井恒和・球団会長の3人が辞任することも発表された。

 昨年10月に週刊文春の報道がきっかけになって福田聡志投手(32)、笠原将生投手(25)、松本竜也投手(22)の3投手の野球賭博への関与が発覚、3人はNPBの任意の調査を受け無期失格処分を下され、巨人は3選手と契約を解除、NPBから巨人に制裁金1000万円が科せられたばかりだった。他に関与した選手はなかったのかという内部調査と同時に、講習会など、NPBも一体となって球界全体であらゆる再発防止の方策が取られていたが、それらの動きを“無”にするような事件発覚となった。 

 筆者にも複数の他球団関係者から連絡があったが、誰もが口にしたのが、「これで本当に最後なのか」という不安だ。実際、すでに不確実なアングラ情報として第5の野球賭博関与者として具体的な名前まで出回っている。もし第5、第6の野球賭博関与者が、続けて巨人から出てくれば、ファンの信頼を失った巨人が、チケットを売って何ごともなかったように開幕を迎えてもいいのか?という議論も起きるだろう。

「もし巨人以外にも広がったらプロ野球は開幕を迎えることができないかもしれない」という危惧を抱く関係者までいた。

 今回の高木投手の野球賭博関与発覚も、文春の取材がきっかけになっていた。巨人やNPBが捜査権をもたず、あくまでも任意の調査であることが、今回の4人目の野球賭博関与者を見過ごしていたことの原因ともされているが、雑誌ジャーナリズムも捜査権など持っていない。

 これまでの文春の報道を見る限り、福田、笠原、松本の3選手に対する聞き取りなどの調査もNPBのそれに比べて巨人の事情聴取は、生ぬるく、野球賭博に手を染めた背景や土壌を深く調査して、野球賭博事件の根絶、再発防止を目指したというより、事件の早い幕切れだけを考えていたようにも取れる。

 捜査権がなくとも読売新聞という文春以上の取材能力を持つ報道機関を経営者とする球団なのだから、本人が偽装工作をして口を割らぬとも、グレーな選手を多方面から徹底調査することは可能だっただろう。