3月末で任期満了となる日銀の白井さゆり審議委員の後任として、サクライ・アソシエイト国際金融研究センター代表の桜井真氏を起用する人事案が国会に提示されました。量的緩和策に対してより積極的と言われていますが、ほとんど無名の人物でもあり、その手腕はまったく未知数です。

日銀審議委員に無名のエコノミスト、黒田路線強化の人事か?(写真は日本銀行、アフロ)

 報道によると、桜井氏は中央大学経済学部卒業後、現在の国際協力銀行にあたる日本輸出入銀行に勤務。その後、大蔵省財政金融研究所特別研究員、経済企画庁経済研究所客員研究員などを経験し、現在に至っています。安倍政権の経済ブレーンとして知られ、量的緩和策の理論的な支柱となっている浜田宏一エール大名誉教授の門下生とも言われていますから、浜田路線を継承するのであれば、量的緩和策に対して極めて積極的なスタンスになることが予想されます。

 退任する白井氏は、量的緩和策については積極的だったものの、1月に導入されたマイナス金利政策については反対していました。桜井氏がマイナス金利についても前向きだった場合には、黒田路線がさらに強化されることになります。

 もっとも桜井氏は、エコノミストとしてはほとんど無名であり、市場からは「桜井氏とはどのような人なのか」といった声も聞かれます。70歳と高齢で、著作や論文も多くないため、金融政策に対してどのような考え方を持っているのかについては現時点では何ともいえません。桜井氏のスタンスが明確になるまでは、市場は疑心暗鬼に陥る可能性もあるでしょう。

 実は白井氏に続いて石田浩二審議委員の退任も6月に迫っています。後任には、新生銀行の政井貴子氏が起用されるとの報道がありましたが、今回の人事案には政井氏の名前はありませんでした。政井氏は、法政大学大学院修了後、外資系金融機関を経て現在は新生銀行の執行役員です。ただ、政井氏は為替が専門分野で必ずしも金融政策のプロフェッショナルというわけではありません。

 審議委員の選考課程は外部に漏れませんので詳細は不明ですが、人事案をめぐって多少の混乱が生じている可能性は否定できません。マイナス金利の路線が今後も継続されるのかどうかは、石田氏の後任人事が提示されるまで、不透明な状況が続くでしょう。

(The Capital Tribune Japan)