低迷が続く日経平均を尻目にREIT(不動産投資信託)が好調です。マイナス金利の導入によって金利が低下したことで、REITの利回りの高さが再認識されたことに加え、資金の借り入れが容易になり、物件取得に弾みが付くとの読みもあるようです。一方で不動産価格はそろそろ上限との声も聞かれていますが、REITの上昇は果たしてどこまで続くのでしょうか。

マイナス金利導入でREITが好調、上昇はどこまで続く?(写真:アフロ)

 REITは投資家から集めた資金で、オフィスビルや商業施設などの不動産などを購入し、賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品です。REITは他の商品に比べて透明性が高く、一定の条件を満たせばファンドの収益には原則として税金がかからない仕組みになっています。またREIT価格(厳密には投資口価格)が上昇した現在でも、3%前後の利回りが確保できているなど、収益性の高さも魅力のひとつです。

 東証リート指数はこの2カ月で約14%も上昇しました。同じ期間において日経平均株価は3%近く下落していますから、REITの好調ぶりは明らかです。REITが好調なのはマイナス金利の導入が大きく影響しています。マイナス金利の導入によって、金利収入を見込む投資商品の利回りは軒並み低下してしまいました。REITは現在でも平均すると3%程度の利回りがありますから、今となっては貴重な投資対象です。他の商品からREITに乗り換える投資家が増えたことが、価格上昇の主な要因と考えられます。

 ただ、REITの価格が決まる仕組みは実は単純ではありません。一般的に分配金の利回りで価格が決定されますが、不動産価格の動向も価格形成に大きく影響します。本来であれば、利回りが低下してしまうと、REIT価格が上昇することはありませんが、土地の値段がさらに上がるとの期待があれば、もっと低い利回りになるまで買われてしまう可能性もあります。

 一方、リーマンショック直後のように、不動産価格が下落した際には、10%台など、通常ではあり得ない利回り水準になるまで売られてしまいます。その意味で、REITは見かけほど簡単で分かりやすい商品というわけではありません。

 しかし、マイナス金利が当たり前となった今、REITの高い利回りは非常に魅力的です。またREITにとっては低い金利でお金を借りることができますから、借り入れを増やして物件の数を増やすよいチャンスです。REITの中には、投資家に対して、ポートフォリオに組み入れた介護施設の入居一時金を割り引くなど、株主優待的なサービスを始めるところも出てきました。不動産価格は今がピークとの見方も根強いですが、当分の間、REITは好調に推移する可能性が高いでしょう。

(The Capital Tribune Japan)