次世代を担うジャーナリズム作品を選ぶ「ジャーナリズム・イノベーション・アワード2016」(日本ジャーナリスト教育センター主催)が12日、都内で行われた。

 昨年に引き続き2回目の開催。インターネット上で閲覧することができる、個人や大手メディアの49作品が出展された。立体的なグラフィック、360度カメラ、インフォグラフィックなどデジタル表現を駆使してネットやスマホの特性を意識した作品が目立った。

【写真】前回アワードの結果は?(2015年1月)

[写真]受賞した3つの出展グループ。左端が朝日新聞編集部、その右の3人が首都大学東京渡邉英徳研究室 × 沖縄タイムス社 × GIS沖縄研究室、右端からの3人が宮崎てげてげ通信の皆さん

 出展者と来場者による投票で6作品が選ばれ、決戦投票を行った。その結果、首都大学東京渡邉英徳研究室 × 沖縄タイムス社 × GIS沖縄研究室による「沖縄戦デジタルアーカイブ」が最優秀賞に輝いた。渡邉英徳准教授としては前回に引き続く“連覇”。

 優秀賞には、11月に移転する築地市場を仲卸業者の写真や3Dマップで表現した朝日新聞デジタル編集部「築地 時代の台所」と、宮崎のローカルメディアである宮崎てげてげ通信「2015年テゲツー!で最もよまれた記事は?【人気記事ランキング】」が選ばれた。

 最優秀賞の「沖縄戦デジタルアーカイブ」は、多元的デジタルアーカイブズの技術を応用することで、1945年3月の沖縄戦での米軍上陸後の生存者の動きや犠牲者の分布状況を地図上で可視化した。地図は航空写真と組み合わせて立体的に表現。生存者の証言も閲覧できるようにした。

 米軍は沖縄本島中部の読谷村から上陸したが、地図では、男性の犠牲者が南部に、女性の犠牲者が北部に集中していることが分かる。男性は戦争に駆り出された人たちが多く、女性は避難したした人たちが多かったとみられる。渡邉准教授は「日常生活を送っていた人が突然、戦争体験者になった。震災の被災者もそうだが、戦争体験者も特別な人たちではない。それを表現したかった」と語った。

 上記以外の決選投票に残った作品は以下のとおり。前回に比べ、今回は大手メディアの躍進が目立つアワードとなった。

・データディスカバリー(日本経済新聞社)
・山本一郎、戦いの軌跡(山本一郎)
・検証・戦争責任(読売新聞社)