政府内で副業を促進する動きが活発になってきました。同じタイミングで同一労働・同一賃金の導入についても検討が進められています。日本における働き方が大きく変わることになるかもしれません。

男性の副業希望者層は、年収300万円以上700万円未満

日本の働き方が変わる? 副業促進の動きが活発に(イメージ:アフロ)

 3月11日に開催された経済財政諮問会議において、民間議員が兼業・副業の促進策について提言を行いました。現在、副業を希望する人は、全雇用者の5.7%程度にのぼるといわれており、その割合は年々上がっています。ここ数年、労働者の実質賃金が減少していることを考えると、副業を希望する人が増えるのは当然の結果といえるでしょう。

 総務省の調査によると、男性の副業希望者の中でもっとも割合が高いのは、年収300万円以上700万円未満のいわゆる中間層で、この人たちだけで全体の約4割を占めていました。続いて300万円未満、200万円未満、100万円未満となっていますので、主に中間層以下の人が副業を求めていることが分かります。女性の場合は少し状況が異なり、副業希望者の7割が年収200万円未満です。女性の方が、平均所得が低いという現状を反映しているようです。

副業をしないと生活が苦しいという人が増える?

 これまで日本企業は副業に対して消極的でしたが、対応を変えるところも出てきました。目薬大手のロート製薬は4月から、国内の正社員約1500人を対象に兼業を認めます。同社では、社外で培った技能や人脈などを活用することで、社内の多様性を深めたいとしています。

 副業の解禁は、働き方の選択肢を増やすことにつながりますから、歓迎する声が出ている一方、副業が許可されることで雇用がますます不安定になるのではと危惧する人もいるようです。終身雇用制度が事実上機能しなくなっているにもかかわらず、その制度を残そうとすると、どうしても昇給を抑制せざるを得ません。副業はその受け皿という面があるのです。

 5月にまとめられる予定の「ニッポン1億総活躍プラン」には同一労働・同一賃金が盛り込まれる公算が高まってきました。終身雇用が残った状態でこの制度が導入されると、正社員の賃金が、安い非正規社員の賃金に引きずられる可能性があります。副業をしないと生活が苦しいという人はさらに増えてくるでしょう。

 現実問題として、賃金が上昇する見込みが立たない以上、副業を広げていくというのは社会的要請なのかもしれません。政府では、副業を行った場合の総労働時間の把握や雇用保険の適用などについて検討を行い、何らかのガイドラインを策定する方針です。

(The Capital Tribune Japan)