リカードがベッサムに宛てた手紙の一部

 経済学者では稀有な投資の成功者、デヴィッド・リカード。株の仲買人だった父とともに14歳で証券取引所に出入りし、まずは株取引で成功を収めます。その後、投資対象を公債、土地取引にも拡げていきます。投資で富を築いたリカードの人生を市場経済研究所の鍋島高明さんが解説します。

 いつの時代でも戦争は市場を揺るがす最大の刺激材料である。「ナポレオン戦争の情報はそれが真相を告げるものであろうと、誤報であろうが、市場価格を著しく上下させた」(堀経夫著『リカァドウ』)

 D・リカードは投資対象を株から公債へと拡大していく。イギリス政府はナポレオンと死闘を繰り広げる一方、戦費調達のため次々と公債を発行しなければならなかった。リカードはその公債の引き受け人を買って出て、結果としてさらに富を増幅させていった。公債は国力、国運の象徴でもある。リカードはイギリスの国運に賭け、それが図星となった。リカードが伝説的大勝利をつかむのは1815年6月のことだ。

投資家の美学

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