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 現実の風景にデジタル情報を重ね合わせる「AR」(拡張現実)技術を活用し、東日本大震災当時の被害状況を現地で知るツアー「AR HOPE TOUR in Sendai」が12日、宮城県仙台市若林区の被災地、荒浜地区で催された。

スマートグラスをかけると、視界の中に震災当時の街の姿が映し出される(若柳誉美撮影)

 ツアーは、宮城県農業高校の生徒が「観光甲子園」でグランプリを受賞したアイデアをもとに考案され、昨年3月の国連防災世界会議の中で実施された「NATORI AR HOPE TOUR」の発展版。昨年の経験を踏まえ東北大学災害科学国際研究所などが主催し、専門家によるシナリオの監修を経て、今回荒浜地区で実証実験として開催された。

 12日のツアーには宮城県内だけでなく、千葉、東京、愛知から約25名が参加。ツアー参加者にはタブレット端末と、レンズ部分がディスプレイになっているスマートグラスが貸与された。スマートグラスを指示された場所で覗き込むと、震災当時の画像が目の前に映し出されるしくみだ。

荒浜小学校の前では、参加者のスマートグラスに津波とともに押し寄せてきたがれきや車が映し出された(若柳誉美撮影)

 震災当時津波から逃れた約320人が屋上に避難した荒浜小学校の前では、参加者のスマートグラスに津波とともに押し寄せてきたがれきや車が映し出された。目の前の風景とスマートグラスで映写される写真を重ね合わせることで、当時の被害状況を体感することができる。

 主催者のひとり、ディー・エム・ピー社の佐藤慧さんは「過去の写真や未来図などとともに、現実を拡張して体感できるのがARの特長。現地に足を運んでもらうきっかけとして、ARやVR(仮想現実)などの技術を使った場づくりを続けていきたい」と語った。

 今月26日には、同様のツアーが宮城県多賀城市でも開催される。

(若柳誉美/THE EAST TIMES)