原子力規制委・田中委員長の会見

Forbes:『Forbes』のJames Simmsと申します。信頼のお話が出ましたけれども、信頼回復というのはよく言われますし、特に政府関係の方は安全に関してはとにかくきちんと説明して理解を得るようにしたいということがよくよく言われていますけれども、例えばこの数週間、起こったことを見ても、正直、ばかばかしいような事例が起こってしまっています。ボルトを緩めたから水が漏れた、だの、あるいは電気的な問題があったから原子炉がトリップしただの、あるいは東京電力であった、メルトダウンの基準がないと思っていたらあったとか、そういったのがいろいろ出てきますと、どれもこれも国民が信頼を回復しようにも、その信頼をそぐようなことばかりが続いていく中で、原子力産業に対していったいどうして国民が信頼をもう一度つくっていくことができましょうかと思うのですが、いかがでしょうか。

田中:おっしゃるとおり、非常に厳しいご指摘だと思います。それで、高浜4号機が立ち上げ時にトリップしてしまったっていうことですけれども、結局、ずっと川内のときも申し上げてきたんですが、やはり信頼回復っていうのは、信頼っていうのはやっぱり何も、そういったトラブルがない状況をいかに長く続けられるかということが基本ですと。ですからユーティリティーとしては、そのことについて十分に心構えを持ってやってもらうようにということは言ってきましたけれども、おっしゃるとおり、そういった事態が起こっています。

 ただ、もう1点言わなきゃいけないのは、どうしても大きい容器装置ですから、原子力発電所って。いろんなトラブルは大小、起こると思うんです。ですからわれわれが、私どもとして注意しなきゃいけないのは、それが大きな事故につながらない、安全上の問題にならないようにするということかと思います。

 それで、信頼は口で言うほど簡単ではないし、信頼をなくすのは簡単ですが、信頼をうるのは非常に難しいというのもおっしゃるとおりです。それから、1Fのメルトダウンというのは、おそらく、もうすでに誰でも分かっていることで、原子炉が冷却できなくなれば半日もすればメルトダウンするものです。これはもう、私が来る前から、次の日にはもう溶けてるっていうのは分かりましたし、溶ければ当然、水素がたくさん出ますから。これはスリーマイルでもそういった、部分的ですけども水素爆発も起きてますし、ですから今になって出てきたということについては、私はやっぱり、そういう体質がやっぱり一番良くなくて、自分たちで作ったマニュアルが、今まで知らなかった、本当かどうかはちょっと私もにわかに信じがたいところがありますけども、そういう体質を変えないと、やっぱり駄目だということですね。ですからわれわれだけで、規制に対する信頼をぜひ、なんとか回復したいと思っていますが、原子力全体に対する信頼回復はちょっと先が見えないというのが本音ですね。

司会:(英語)

フリーランス記者:フリーランスのコバヤシと申します。水について伺います。チェルノブイリの事故調査委員長を務めたレガソフというアカデミー会員が、事故から2年後に遺言を残して自殺をしています。その中で彼が言っていることの1つに、水が非常に大切だと、水の処理は難しいというふうに言っていますので、私は福島のあと、ずっと水の動きを見ていたんですが、どんどん汚染水がたまっていく中で、世の中には何か理由をくっつけて海に流すぞという風評が流れたんですけれども、今日、委員長のほうから、海に流しても安全である基準を確定したという話を聞きました。そしてそのあと、あとの問題は漁業補償、風評被害の問題だということをおっしゃいましたけれども、その風評被害を抑えられるような科学的根拠を持ったデータを示すことが規制委員会の義務ではないかというふうに思います。つまり、国民の信頼を取り戻すというのが最大の責務だとおっしゃいましたが、その点はいかがでしょうか。

【中継録画】原発事故の再発防止は? 規制委の田中委員長が会見

この記事が気に入ったら「いいね!」をお願いします