経済ニュースを見ていると、業務提携と資本提携というキーワードをよく目にします。業務提携と資本提携というキーワードがセットになった業務・資本提携という言葉もあります。

 台湾の鴻海精密工業によるシャープ買収劇をめぐっては、何度も業務提携、資本提携という言葉が出てきました。業務提携と資本提携はどう違うのでしょうか。またニュースを見るときにはどこに着目すればよいのでしょうか。

時事用語解説 どう違う?

最終的には合併、吸収も!?

台湾の鴻海精密工業によるシャープ買収劇では、何度も業務提携、資本提携という言葉が出てきたが(写真提供:伊藤真吾/アフロ)

 業務提携は、文字通りビジネスについて両社が提携関係を結ぶことを意味しています。その内容は多岐にわたり、互いに顧客を紹介するなど営業面で協力するといった緩やかなものから、共同で製品やサービスを開発する、人材を相互に行き来させるといった濃密なものまで様々です。

 一方、資本提携は相互もしくは一方的に株式を取得するなど、資本関係を結ぶことを指しています。株式を取得するということは、一部とはいえ、その会社の所有者になり、議決権を行使するということですから、単に業務上で協力するという以上の関係となります。業務提携が資本提携に発展し、最終的には両社が合併したり、吸収されるというケースも考えられるわけです。

 今年の3月に、地銀大手である千葉銀行と埼玉を中心に展開する武蔵野銀行の業務・資本提携が発表されました。あくまで相互の資本関係を強化してビジネス上の協力関係を構築するという形ですが、将来的に経営統合する可能性は高いでしょう。

投資的な狙い、株価対策など様々

 もっとも、資本提携が本格的な業務提携や将来の合併を意図して実施されるとは限りません。近年、フィンテック(金融とITを組み合わせた新しい金融サービスのこと)関係の企業に資本参加するところが増えていますが、具体的な業務提携を伴わないケースもよく見られます。こうした出資が実施されるのは、現時点ではフィンテックがどう展開するのか分からないものの、将来、市場が拡大した場合に備えての保険という意味があるからです。また自社と関連のある分野で伸びる企業に投資しておけば、将来的にキャピタルゲインを得られるという純投資的な狙いもあるかもしれません。

 ニュースで業務提携や資本提携というキーワードが出てきた場合には、具体的な内容や提携の深さ、将来的な展開などを総合的に評価して判断することが重要です。企業の中には株価対策として、中身のない業務提携をあえて大々的に発表するところもあります。提携の事実ではなく、あくまで中身が大事だということを忘れてはならないでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

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