「伊藤忠商事100年」より

常に明るく前向きだった越後正一(えちごまさかず)。リスクもいとわず果敢に攻めの投資を行い、ついに伊藤忠商事、第5代社長の座に昇りつめました。

 「相場は需給に始まり、需給に終わる」などの名言と投資哲学の数々に彩られた越後の人生の後半を市場経済研究所の鍋島高明さんが解説します。

リスクに立ち向かう経営者の相場哲学

 越後正一は、相場のリスクから逃げなかった。むしろリスクに挑戦して業績を膨らました経営者であった。越後はいう。「世界を相手に活動する以上、絶対に商品相場に敏感であることが必要だ」。同時に為替相場にも敏感でないと務まらない。

 越後が体得した相場哲学は以下のようにまとめることができる。

(1)相場判断は商品の継続的な需給関係を中心に据える
(2)過去の相場の上げ下げの値幅と期間を最重要ポイントに置く
(3)全体としての景気動向と長年の経験の勘で決断する

投資家の美学