ヘッドセットを装着することで、映像の中にいるかのような擬似体験ができる技術「バーチャルリアリティー(VR、仮想現実)」が盛り上がりを見せている。メーカー各社は今年、一般消費者が手軽にVR技術を体験できるゴーグルなどを次々発売。一方で、国内では購入者層は最新技術に関心のある層に限られ、一般消費者へ広く認知度が高まっているとはいえないようだ。全く新しい映像体験であるだけに、VR技術を用いた製品は「体験しないと伝わらない」という点が普及のハードルとなっている。

VRは時空を超えて“体験”を共有する

「没入感」という言葉だけでは伝わらない

ゴーグル型の端末をつけてVR映像を視聴するようす。映像の中に入り込んだかのような体験が味わえる(写真:ロイター/アフロ)

 「VR」が体験できるゴーグルなどの開発が進み、一般消費者向けの製品が次々発売される今年は、「VR元年」とも呼ばれる。PCに接続して視聴するゴーグル型のVR視聴端末では、米フェイスブックが買収したオキュラスが今年3月に「オキュラス・リフト」を発売。4月には台湾HTCと米バルブ社が共同開発した「HTC Vive」を発売した。韓国サムスン電子は昨年12月、自社のスマートフォンGalaxyと合体させることでVR映像が視聴できるゴーグル「Gear VR」を発売。10月にはソニーが「プレイステーションVR」を発売予定で、注目を集めている。

 これらの視聴端末でVR映像を視聴すると、自分の動きに合わせて風景が動き、360度の風景が見渡せる。映像を見ながら、自分自身もまるで映像の中の世界にいるような臨場感を味わえるのが、VRの特徴だ。しかしVRはこれまでにない新しい視聴体験なだけに、言葉で説明することが難しい。サムスンの担当者は「VR元年と言われていますが、広まっているのはまだ一部に過ぎません。『没入感』という言葉がよく使われていますが、言葉だけでは伝わらず、体験してみないとそのすごさが分からない課題があります」と語る。

 この課題を越えようと、各社はあらゆる場所やコンテンツで消費者の関心を引き、VRを「体験する」機会を増やそうと苦心している。

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