2000本安打にあと1本と迫った広島の新井は、幸運の神宮でのヤクルト戦で勝って決めると宣言した。写真・黒田史夫

 通算2000本安打にあと1本と王手をかけた広島の新井貴浩内野手(39)が、25日、THE PAGEの直撃取材に答え、金字塔達成直前の心境を語った。1998年に駒大からドラフト6位で広島に入団した新井は、1999年5月12日に、広島市民球場で巨人のホセからプロ初ヒットを放ち、FAでの阪神移籍、そして広島への出戻り移籍などの波乱の17年間の野球人生を経て、ヒットを1999本まで積み上げてきた。

 2000本安打は史上47人目、大卒野手では12人目、そして広島では、山本浩二、衣笠祥雄、野村謙二郎、前田智徳以来5人目の快挙となる。

ーーいよいよ王手だ。

「内野安打でもホームランでもなんでもいいんです。とにかく試合に勝って達成したいんです」

ーープレッシャーは?

「それが、なぜか自分でもわからないんですが、まったくないんですよね。チームのみんなにTシャツを作ってもらったりして、乗せてもらって、打たせてもらっています。今はボールがよく見えています。自然体で臨めます」

ーー今日、26日からの神宮球場でのヤクルト3連戦が、その舞台だ。

「できれば、広島のファンの方々の前で感謝の気持ちを込めて達成したかったんです。一度出ていった僕をブーイングではなく、温かい拍手で迎えてくれたファンの方々への恩は忘れません。場所が神宮に移っても恩返しのつもりで打ちたいと思っています。それに神宮は、色々と思い出のある場所ですからね」

ーーというと?

「神宮は大学時代にプレーした場所でもあり、2005年の黒田さんが最多勝のかかっていた試合も神宮で、僕のライト線を破る三塁打が決勝打となったこともあるんです」

ーー縁があるね。先発は成瀬が予告されている。

「成瀬は、北京五輪を一緒に戦った気心の知れた相手ですが、阪神時代に記録した通算1000打点も成瀬から甲子園で打った2ランホームランでした」

ーーますます明日で決まりそうだ! ドラフトの6位以下で入団して2000安打を記録したのは、阪急の福本豊さんしかいないらしい。あのどの球団にも相手にされなかった新井が、よくここまで来たな。

「僕自身も、まさかここまで来るとは思ってもいませんでした。運良くいろんな人と出会い、巡りあったことで助けられ、ここまで来れたんです。阪神時代には試合に出れずに心が荒んでこともありました。怪我もありました。でも、本当に運が良かったんです。一番の感謝は、丈夫な体に生んでくれた両親です」

ーー運じゃなくあなたの努力だよ。2000本を達成したときにまた世界が変わるかな?

「おそらく何かが変わることはないと思います。ここを目指して野球をやってきたわけではありません。僕が目指してきたこと、そして今も目指しているのはチームの優勝、勝つことだけなんです。そのために自分ができることを全力でやるだけ。それはこれからも変わらないことです」

ーー新井らしい言葉だ。明日決めてくれることを祈っているぞ。しかも勝ってな。

「ありがとうございます」

(文責・駒沢悟/スポーツライター)