#01

撮影:KURAPHOTO、倉谷清文

撮影:KURAPHOTO、倉谷清文

撮影:KURAPHOTO、倉谷清文

 日本を代表する歌手・八代(やしろ)亜紀さんは、よく笑う人だ。今年デビュー46周年を迎えるいわば大御所であるが、おそらく誰に対してもソフトで緊張感を与えない人なのだと思う。目を細めて柔和に微笑む様子は包容力を、時折首をかしげるしぐさは少女の面影を感じさせる。

 しかし、ひとたび歌の話になると瞳の奥の輝きが違ってくる。さらに歌のイントロが流れると、その曲の主人公が憑依したかのように、どっぷりと歌の世界にはまり込む。

 そして、歌への飽くなき探究は、とどまることを知らない。近年は演歌や歌謡曲だけでなく、ジャズやロック、ポップス、ブルースなどジャンルを超えた歌が、従来からのファンはもちろん若い世代を惹きつけてやまない。伝統的なもの、新しいもの、すべてを取り込み、今なお進化し続けている。

 薄暗いホールでのしっとり聴かせるライブがお似合いときそうだが、意外にも野外フェス好き。燦々と照りつける太陽とさわやかに、ときに激しく吹く風、自然の中だからこそ起こるちょっとしたハプニングで歌の雰囲気が変わっていくのが楽しいという。また、若い人たちからもらえる元気な声援が新鮮だ。