「観光先進国」目指すニッポン、観光業はバス事業が好調(アフロ)

 近年、日本を訪れる外国人観光客が増えています。政府によると、2012年に約836万人だった訪日外国人旅行者は2015年には約1974万人と倍増しました。政府は「観光先進国」となるべく、20年には4000万人を誘客する目標を掲げています。国内観光業にはどんな変化が出ているのでしょうか。観光業に関する09年と14年の経済センサス-基礎調査の数値を追ってみましょう。

宿泊施設は足りている? 足りていない?

 意外なことに、旅館やホテル、下宿業などの宿泊業は全国的に事業所数・従業者数ともに減少しています。宿泊業の事業所は全国で約8300減少しています。特に多いのが旅館・ホテル業で、東京は事業者が63増えているものの、他の地域では軒並み減少。減少幅には差があり、長野(538)、静岡(415)は減り幅が大きいです。青森、岩手、宮城、山形など東北地方も100以上の事業所が減っている地域が見られます。一方で、鹿児島(64)、長崎(65)、佐賀(52)、愛媛(32)、高知(38)、など西日本で減少幅が小さい傾向にあります。

旅館、ホテルの従業者数と事業所数

 従業者数についても、全国的に減っています。都市部では東京が約400人、神奈川が約250人、埼玉が約430人と減り幅が少ない一方、千葉は約4460人減少と減り幅が大きくなっています。また大阪は約6670人減少しています。青森、宮城、山形では約1200~1870人の減少、また福島では約2560人の従業者が減っており、2011年に発生した東日本大震災の影響が伺えます。人気の観光地である北海道でも約5700人減少。長野でも約2700人、静岡でも約3460人減少するなど東日本は減少傾向の自治体が目立ちます。一方、西日本では、事業所数は伸びていませんでしたが、沖縄で従業者が約1200人増加。広島でも約700人増加しています。西日本ではやや増えている自治体があるものの、全体的には事業が縮小している様子が見受けられます。

 一般社団法人日本旅館協会の担当者によると、外国人旅行客の宿泊場所は大都市圏に集中しており、地方まで十分に回っていないそうです。地方でも宿泊施設の稼働率は上がっているものの100%に達することはまずないと言います。一方、過疎化から小さい旅館などでは後継者がおらず、廃業する場合もまだあるそうです。担当者は「宿泊施設が足りないのは一部の地域だけ。東京などの大都市から地方へ誘客する工夫が必要だ」と話していました。

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