体を動かして、風呂に入り、ご飯を食べ、寝る

島崎邸の居間で横ですやすやと眠る猫

 こうしてはじまった田舎暮らし。晴美さんによると、けっして甘くはなく、やってみると結構大変な面もあったというが、1年、2年とここで暮らす時間が長くなるにつれて、冬の寒さに対応でき、暖房に必要な薪割りも上手くなるなど、順応していった。東京の時に比べると、「おおらかになり、生命力が上がった」(晴美さん)、「東京時代の10〜20倍は体を動かして、風呂に入り、ご飯を食べ、寝る。そういう暮らしが気持ち良い」(和志さん)とそれぞれ笑顔で語る。

 現在も、和志さんはたまにイベントやドラムの仕事で東京に行く。年収は東京時代の1/3から1/4に減ったが、「ぜいたくこそしませんが、お金にカツカツというわけでもありません」。晴美さんは今年、東京でのヨガの仕事を打ち切り、この土地での生活のウエイトがますます増えつつある。

その人らしい生き方を見つけるきっかけに

暖房には薪ストーブ。薪割りも上達した

 島崎夫妻の家を通して、新たな人のつながりも生まれている。「だいずのいのち」などの催しの参加者の中には、都会暮らしをやめてこの地での生活を選択する人も複数現れたという。

 「ここは、物質優先の生活にエネルギーを費やしてもそこに幸せはないと気づいた私たちが、今度はそれに気づきはじめた人を招いて、別の生きるスタイルを体験してもらう場所です」と晴美さん。和志さんは、「その人なりのその人らしい生き方を見つけるきっかけを皆でシェアできれば、と思います」と話している。

(取材・文:具志堅浩二)

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