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 上海のやや西寄りのエリア、ちょうど東京の山手線に該当する地下鉄3・4号線上に金沙江路という駅があります。これまでは特に何か印象のある駅ではなかったのですが、最近の再開発に伴い「環球港」という非常に大きなショッピングモールが2013年にでき、周辺の再開発が今も進められる中、このモールに隣接するタワーに新しいハイアットホテルのオープンが準備されているなど、少しずつ盛り上がりを見せています。

上海だより

巨大さを感じる外観 奥行きがほどある

 今上海では、市民の消費力の拡大に伴い、中心部からやや外れたエリアの開発にも力を入れ始めています。同様の開発といえばこれまでにも徐家や五角場、中山公園などがありましたが、近年はさらに郊外の嘉定区や七宝の開発も進められ、上海市内の商業圏はますます拡大しています。

 その中で、既に開発済みである中山公園の隣駅でありながらこれまで手付かずであった金沙江路駅も進められています。そんな中、今回取り上げたい「環球巷」で対象とされている消費者が少々異なることに注目してみたいと思います。

エントランスホール上階の吹き抜け 装飾が執拗に派手さを追求している

 まず、「環球巷」の立地ですが、ちょうど地下鉄3・4号線の線路という高速道路の間に位置しています。高速を車で走っているとその大きさにいつも目を奪われるほどで、48万平方メートルという敷地面積を誇っています。地下鉄駅からすぐの南正門から入ってすぐのエントランスホールは上階まで吹き抜けており、ガラスの天井窓からは光が差し込みます。

 なぜか古代ローマ建築風の装飾が施されており、ガラス窓の下部にはレプリカの絵画や彫刻が設置されています。敷地面積が広い条件のもと内装コストは抑えつつ豪華な見栄えを意図したせいか、少々装飾のディティールには安っぽさが伺えます。最新の上海の趣味嗜好からすれば、このような雰囲気は既に受け入れられ難いほどの装飾です。

新店のアップルストア 内装は既存店同様の白基調のシンプル空間

 そのエントランスホールの周りには6月にオープンしたばかりの新しいアップルストアとボッテガベネタの店舗がありますが、豪華さを打ち出している反面、意外にも1階に高級路線のテナントは少なく、ディーゼルやラルフローレン、アルマーニ・ジーンズなど、上海で近年オープンしている高級志向の商業施設と比較するとカジュアルなブランドが出店していると言えます。カジュアルな上に、既視感に満ちたテナントのラインナップで、上海人の集客を望むのはなかなか難しそうです。