北大では文・理の部局が見直しを求めて総長に意見書を提出。徹底抗戦の構え

 北大では、大学側が示した人件費削減策に対抗する動きが出ている。大学の示した案では、医学部・歯学部・小部局を除く部局に一律、今年度比14.4%の人件費削減を2021年度までに行うように求められた。目標が達成できない場合は新規の採用や昇任人事が行えなくなるほか、部局への配分経費がカットされる。

 北海道大学教職員組合の光本滋書記長は、取材に対し「これまでこんな話はなく、一気に削減を突きつけられた。他大学と比べて教員数が突出して多いということもなく、困惑している。財政が厳しいのは理解するが人を切る前に、別の方策も考えるべき」と話す。

 同教組は9月中旬に方針撤回を求める声明を発表。文系の部局長と理系の部局長もそれぞれ連名で、削減案の見直しを求める意見書を総長宛に提出した。

 北海道大学広報課は取材に対し、「削減案を示したのは事実。ただ、この件について、コメントするのは差し控えたい」と説明し、削減案を示した理由などに対する回答は得られなかった。10月中旬にも部局長等連絡会議が開催され、削減案について大学側と各部局が再度協議する予定だ。

運営費交付金は12年間で1470億円減少

文部科学省の資料を基にTHE PAGE作成

 様々な大学が財政難になった理由にあげている運営費交付金とはどのようなものか。運営費交付金とは、国が人件費・物件費など大学の基盤となる経費として渡す交付金。国が各大学から提出される次年度の収入と支出の見積もりを積み上げて、収入の不足分を予算として計上する。運営費交付金は国立大学の収入の3〜4割を占めている。国立大学は運営費交付金のほか、授業料や病院収入等を合わせて運営している。

 2004年に国立大学が法人化されて以降、運営費交付金はほぼ毎年度減額されている。2004年度には1兆2415億円(全大学合計)だったが、今年度は1兆945億円で、2004年度から段階的に1470億円、11.8%減った。

 今年度からは交付金を大学の取り組みごとに差をつけることも始めた。大学を目的別に3分類し、取り組み内容に応じて交付金の一部を再配分する。これにより運営費交付金がさらに減るところも出てきている。

運営費交付金の0.8%〜1.6%をあらかじめ減額し、捻出した約100億円を評価によって再配分。86大学のうち42大学が増額、43大学が減額となった。(1大学は配分を要望しなかった)。最も増えた大学(和歌山大など)では118.6%の配分を受けられたが、最も少ない京都教育大では75.5%の配分にとどまった。

 北海道大学の場合は、取り組みが評価され100.2%の再配分を得たものの、その配分の原資になる資金を元々の交付金から1.6%減額されたため、厳しい財政状況を変えるまでには至っていないとみられる。北海道大学の今年度の運営費交付金は362億2680万円で、前年度から7億4950万円減っている。

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