#01 戦いの神ハヌマーン

(2015年10月撮影)

(2015年10月撮影)

顔を赤く染め、猿の衣装を身につけた男たちが、太鼓囃子のビートに乗りながら飛び跳ね街を練り歩く。インド北部パンジャビ州のアムリッツアーで開かれるハヌマーン祭りのクライマックスだ。

ハヌマーンとは、猿の姿をした、インド神話に登場する神々の一つ。風の神ヴァーユから生まれたハヌマーンは、山を持ち上げるような怪力の持ち主であるだけでなく、勇気と忠誠心を備えた戦いの神として人気が高い。叙事詩「ラーマヤーナ」に描かれたハヌマーンの活躍は、子供たちの間でもよく知られている。

ラーマ王子が、悪王ラーヴァナによって誘拐された妻シータを取り戻すために戦いを挑む話だが、ここで王子の片腕として活躍するのがハヌマーンだ。空を飛び、体の大きさを自在に変化させるハヌマーンは、忠義を尽くしラーマを助け、シータの救出に貢献する。ちなみにハヌマーンは、僕らにも馴染みの深い西遊記の孫悟空のモデルとも言われている。まあその姿はともかく、男子の理想像でもあるのだろう。

「以前ハヌマーン寺を詣でたら、息子を授かることができた。それでお礼に来たんだ。息子にも強く育って欲しい」

男の子と一緒に祭りに来ていた男が、笑顔で言った。

(2015年10月撮影)