[写真]今ではすっかり定着したインターネットでのニュース配信(アフロ)

 ニュースにおいて切っても切れない存在なのが写真や映像です。しかし、雑誌や新聞などでは問題ないのに、なぜかネット上でのニュース配信では「NG」となっていることがあります。特に芸能ニュースでタレントを扱う場合、新聞には写っているタレントの写真が、ネットではシルエットということもあります。

 こうしたネット上での写真掲載をNGとしているとされるのがジャニーズ事務所ですが、法律的な観点からみると、どんな論点があり得るのでしょうか。一方で、最近はそうした方針が緩和されてきているようです。それはなぜなのでしょうか。

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「報道の自由」とタレントの「肖像権」

 エンターテイメント分野の案件を扱うレイ法律事務所の松田有加弁護士は、まずこのようなネットでの写真掲載NGについて、「契約や、場合によっては通達のような形で、事務所からメディアに出ていることはあるようです」と指摘しました。そして、事務所がメディアの報道を“規制する”ことについて、法律では明確に規定されていないとし「この問題は、メディアの『報道の自由』とタレントさんの『肖像権』とのバランスの問題」と説明します。

 「表現の自由」は、日本国憲法第21条に「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と定められています。さらに最高裁は、博多駅テレビフィルム提出命令事件(昭和44年)で「報道の自由」に言及し、「思想の表明の自由とならんで、事実の報道の自由は、表現の自由を規定した憲法21条の保障のもとにあることはいうまでもない」としました。つまり、「報道の自由」は憲法で保障された権利なのです。

 一方、肖像権を明確に規定した法律はありませんが、判例上で認められ権利とされています。肖像権は「他人からむやみに写真を撮られたり公表されたりしないように」主張できる権利です。人格権の一部としての側面と、肖像を提供することで対価を得る財産権の側面があります。松田弁護士は「『報道の自由』と『肖像権』のどちらを優先させるかという問題で、事案ごとに適法か違法かは異なる」として、一概に事務所によるネット上での写真NGが「報道の自由」を侵しているとは言えないとしました。

 なお、タレントは基本的にはメディアに露出することが前提となっているため、その肖像権は一般人よりも制限される場合が多くなります。他方で、肖像権における財産権は一般人より増える側面があります。