アマゾンが、自社で販売していないマーケットプレイスの商品についても「お急ぎ便」で受け取ることができるサービスを開始しました。このところ楽天がアマゾンに比べて厳しい状況に追い込まれているという指摘がありますが、お急ぎ便のサービスがマーケットプレイスの商品にも拡大されるということになると、アマゾンの有料会員はさらに拡大する可能性があります。

[イメージ写真]アマゾン vs. 楽天、お急ぎ便対象拡大で物流はアマゾンがリード?(ロイター/アフロ)

 アマゾンは10月28日、アマゾンの有料会員(プライム会員)向け配送サービス「お急ぎ便」の対象にマーケットプレイスの商品も加えたことを発表しました。新しいサービスは「マケプレプライム」で、一定基準を満たした出店者の商品がお急ぎ便の対象となります。

 アマゾンが取り扱う商品は主に、

(1)アマゾンが直接販売する商品
(2)マーケットプレイスの出品者がアマゾンに出荷を委託した商品
(3)マーケットプレイスの出品者が自ら出荷する商品

 の3つに分類することができます。アマゾンは年会費3900円を支払う有料会員向けに、お急ぎ便のサービスを提供しており、有料会員は、注文から時間を置かずに商品を受け取ったり配送状況をネットで確認することができます。このサービスの対象となっていたのは、これまで(1)と(2)だけでしたが、これを(3)にも拡大したというわけです。マーケットプレイスの商品がお急ぎ便の対象となっていなかったことから有料会員への加入を躊躇していた利用者も多いはずですから、今回の決定は有料会員を拡大させるきっかけとなるかもしれません。

 一方、ライバルの楽天は、自社の取り扱い商品もありますが、基本的には出店者から出店料を取るビジネスモデルであり、配送の多くは出店者に任されています。以前、同社は出店者の配送も一元化しようと配送センターの構築などを試みましたが、あまり機能しているとは言えません。

 アマゾンは直販中心、楽天は出店者中心という一種の棲み分けが出来ていましたが、アマゾンが出店者からの配送も一元化した場合にはこの図式も崩れてくるかもしれません。

 もちろん楽天もこうしたアマゾンによる攻勢を何もせずに見ているわけではありません。楽天は、住友商事傘下のインターネット通販会社「爽快ドラッグ」を89億円で買収することになりました。薬や家庭用品では定評のある通販会社を傘下に収めることで、商品ラインナップの拡充を狙います。

(The Capital Tribune Japan)