イラクで一時拘束の常岡浩介さんが会見(撮影:具志堅浩二)

 イラク北部でクルド自治政府当局に拘束され、解放されたフリージャーナリストの常岡浩介さんが、10日午後3時から東京の外国特派員協会で記者会見を行った。

 報道によると、常岡さんは過激派組織「イスラム国」(IS)が実効支配するモスルの奪還作戦の取材中の10月27日、身柄を拘束された。ISのキーホルダーを持っていたため関連を疑われたという。7日に解放され、8日夕に帰国した。

【中継録画】イラクで一時拘束の常岡浩介さんが午後3時から会見

「イスラム国の通訳を務めた功績で勲章を受けた」は事実無根

常岡:お話しする機会を与えていただきまして、まずはありがとうございます。それから今回、私、海外でしょっちゅう拘束されてニュースになっているのですけれども、今回も12日間、イラク北部クルド自治区で拘束をされていまして、大変たくさんの皆さんに心配をお掛けしたと思います。申し訳ありませんでした。そして心配してくださった皆さんに感謝を申し上げたいと思います。

 まず、今回の経緯についてご説明させていただきたいと思います。日本語、メディアでは今回かなり情報が出たんですけれども、今回、私自身がショックを受けましたのは、現地のメディアから英語圏あるいは、ほかの言語圏に対して私がイスラム国の通訳を務めた功績で勲章を受けたというふうな報道が出てしまっていたということですね。これ、完全な間違った内容になっておりまして、これが既成事実のようになってしまいますと、私は完全にイスラム国の関係者というふうに認識されてしまって非常に残念な状態になってしまいますので、まずそれが誤解であることを釈明させていただきたいと思います。

 この間違った情報なんですが、最初に出したクルドのメディアでは私自身がそれを自白した、クルドの捜査当局に語ったという内容で出ていたんですけども、実際には、そういうことは私は語っていません。では、何を語ったかといいますと、私自身がイスラム国を取材した経緯についてお話ししました。イスラム国には、シリアの内戦が始まってから3回、シリアの中に入って取材をしているんですけれども、そのうちの2回目にイスラム国の司令官と知り合うことになり、3回目に、この司令官とイスラム国から首都のラッカ、彼らが首都だと主張しているラッカに招待されて、そこを訪問したという経緯がございました。

 その際に私だけではなくてイスラム学者のハサン中田考先生という方も一緒に招待されたんですけれども、中田先生のほうは通訳者として招待、私のほうはイスラム国で開かれる裁判を取材するリポーターとして招待という形でございました。

 その説明についても、クルド捜査当局に私はしたんですけれども、中田先生が通訳として呼ばれたという部分が、たぶん私のことと混同されてクルド側が地元メディアに発表してしまったんではないかと想像します。でも実際には、その通訳の仕事も中田先生は、することはありませんでしたし、私もリポートの仕事をイスラム国の内部でするという形にはなりませんで、なんの取材許可も結局与えられないままに、隠し撮りしたものを、後ほど日本国内で報道するということになりました。

 それから、その功績をたたえられて勲章を受けた、というふうに報道された部分ですけれども、ここについてはもう完全にまったく無根拠、根拠のない間違ったお話ということになってしまいます。たぶんこの、彼ら、英語ではメダルとして表現されているものが、私が疑われる原因になった、イスラム国のロゴの入ったキーホルダーのことではないかと思うんですけれども、これはイスラム国から何かもらったというものではありません。イスラム国からの帰り道に、最後のトルコに入国するタイミングで、ロシア国籍ダゲスタン人の義勇兵と、同じバスに乗せられたんですが、彼が別れ際にあげるよと言って、くれたものです。何かイスラム国のオーソリティー、位の高いところから賞を受けたなどという事実はまったくありません。

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