田中将大 2013WBCでの力投(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 WBC(ワールドベースボールクラシック)の米国代表は今、よほど選手集めに苦労しているのか、自国で勝手にルールを決められる、あるいは変更出来るアドバンテージを発揮し、なんとかスター選手に出てもらおうと躍起になっている。

 今春の段階で、ラウンドごとにWBCのロースターを28人、30人、32人に拡大する変更案が話し合われていたが、承認される見込みが高まっているそうだ。

 となると例えば、今年の夏に椎間板ヘルニアで戦列を離れ、健康状態に不安があることから、現時点ではWBC出場を見送るとみられているドジャースのクレイトン・カーショウを、3月22日に本拠地ドジャー・スタジアムで行われる決勝戦だけに先発させることも可能となる。1試合だけの参戦が認められる、というわけだ。

 本来、第1ラウンドからWBCに参加すれば、その前の準備から含めて3週間は拘束される。当然、早めの調整が求められ、3月10日前後には一旦、状態を仕上げる必要がある。また大会期間中、自分のスケジュールで調整する時間は制限され、カーショウのように不安がある投手などはそのために出場に二の足を踏んでいるわけだが、1試合だけでいいとなれば話は違ってくる。チーム側もリスクの軽減を歓迎するだろう。

 恩恵を受けるのは他国も同様だろうが、日本代表にとっても可能性が開ける。
 例えば目下のところ、岩隈久志(マリナーズ)、ダルビッシュ有(レンジャーズ)、田中将大(ヤンキース)、前田健太(ドジャース)といった日本が誇る、大リーグでも一線で活躍する先発陣は、様々な事情があって不参加が濃厚と見られている。

 岩隈に関しては、今季フル回転したこと、来年4月に36歳になることからチームが参加に消極的だ。ダルビッシュは5月終わりにトミー・ジョン手術から復帰したばかり。田中は、チームが彼の右ひじじん帯の状態に懸念を持ち、前田は自らドジャースとの入団会見で明かしたように、体のどこかに「イレギュラー」がある。

 しかしながら、1試合限定ならば、決勝ラウンドまでキャンプ地でじっくり仕上げ、実戦感覚に関してはオープン戦で対処可能。なによりその間、チームのプログラム下にあり、調整が順調なら、田中と前田に関してはチームも参加を容認するのではないか。決勝ラウンドはロサンゼルスで行われるだけに、太平洋を横断するよりは、はるかに体への負担も少ない。アリゾナでキャンプを行う前田など30〜40分の飛行距離である 。
   

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