京都の街に映える舞妓さんの姿(写真はイメージ、提供:アフロ)

 京都は昔からの花街が今も続いている街です。祇園や先斗町等のような古い花街の街並みはそこを歩いているだけでも何とも言えない風情を感じますが、さらにそんな街の風情に彩りを添えるのが舞妓さんや芸妓さんの存在です。多くの観光客は街を歩いていてかわいい舞妓さんを見かけると、「これはラッキー!」とばかりについシャッターを押したくなります。

【連載】おとなが楽しむ京都

本物の舞妓さんは、昼間にはなかなか出会えない

 ところがこのように街を歩いている人の中には本物の舞妓さんではない人も多くいるのはご存知の通りです。最近では「舞妓変身スタジオ」のような場所があって、観光客向けに舞妓さんの衣装を着てお化粧をし、写真を撮るというサービスをするところが増えてきました。ただ変身して写真を撮るだけならいいのですが、そういう格好をして街を歩く観光客も多いのです。特に最近ではアジアからの訪日観光客の中にも変身した舞妓さんの恰好で街を歩くという人もいるようです。

 人間には多かれ少なかれ変身願望というのがありますから、特に若い女性であれば憧れの舞妓さんの恰好をしてみたいと思うのは無理ありません。そのこと自体に目くじらを立てるつもりは全くありませんが、よく事情を知らない観光客の人の中には、本物の舞妓さんと間違えて写真を撮っている人もいるでしょう。

 私は、もし本物の舞妓さんであればやたら写真を撮ったり、一緒に写真を撮ってもらうのをお願いしたりするのはいかがなものかと思います。なぜなら彼女達は、単にブラブラ散歩しているわけではないからです。お客様の待つお座敷へ向かっているところで、言わば業務時間中なのです。仕事をしている人に対してはそれなりに敬意を表すのが当然ですから、むやみに一緒の記念撮影をお願いしない方が良いと思います。

 もちろん観光客舞妓はその限りではないでしょう。なぜなら変身願望と共に自分が注目されることに対して楽しさを感じているからに違いないからです。では本物かそうでないかを見分けるにはどうすればいいのでしょうか。

 実は答えは極めて簡単なのです。そもそも本当の舞妓さんはあんな恰好をして昼間出歩くことはまずありません。舞妓さんがああいうお化粧をして衣装を身にまとうのは夜、お座敷に行くときだけです。昼間は唄や踊りのお稽古事で忙しいですから、動きやすい恰好をしていますので、普通の人とあまり変わらないでしょう。たまには雑誌やグラビアの撮影で本物の舞妓さんが昼間にああいう格好をすることもあるでしょうが、少なくとも一人で歩き回るということはあまり考えられないと思います。したがって昼間に見かける舞妓さんはほぼ“観光客舞妓”と思っても差し支えないと思います。

 次に本物の舞妓さんかどうかを見極めるのは髪の毛です。舞妓さんというのは全て地毛ですからかつらを被ることはありません。明らかにかつらだとわかるのはこれも観光客舞妓に間違いありません。他にも細かい点で本物の舞妓さんとは明らかに違うということはありますが、それほど細かい点をチェックしなくても、昼間歩いているかどうか、髪が地毛かどうかだけで簡単に見分けはつくと言っていいでしょう。

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