富良野塾の卒塾生に書いた送る言葉

倉本はマラソン大会を舞台にして人の生きざまを描く

 「走る」と言えば、倉本が何年か前、富良野塾の卒塾生に書いた送る言葉を思い出す。

 富良野塾の塾生たちはいいドラマを作りたい、いい役者になりたいという大きな夢を持って全国から富良野に集まってきた。2年間の暮らしの中で様々な体験もし、葛藤もあった。そんな厳しい塾生活を終えて自分の町に帰って行く卒塾生たちに倉本はこんな送る言葉を書いた。

 もし君たちが塾時代に持っていた夢を捨て、走らなくてもいい楽な夢を望むなら富良野のことはもう忘れなさい。
 僕はそのことを軽蔑しようとは思わない。
 しかし、どこにあっても“感動”ということだけは忘れないで欲しい。
 感動を創る者は走らなければならず、感動を得るだけなら坐しても可能だ。
 走るか、坐るか
 覚悟を決めなさい。
 そしてもし君たちがある日突然、しばらく忘れていた感動を思い出し、胸の奥から涙が突き上げたら
 いつでも富良野に帰っていらっしゃい。坐して見るものとはお茶でも飲もう。
 走っているものとは酒を酌み交わそう。
 俺たちはここにいて ずっと走っている。
  ── 行ってらっしゃい。

 倉本が走り続ける限り、そばにいる私たちも走り続けない訳にはいかない。疲れるが、走るのを止められない。傍迷惑な人だ。

 皆さんも感動が欲しかったらぜひ「走る」を見に来てください。感動はお約束します。「走る」の日程、公演地情報は「倉本聰界隈」で。

(文・NPO法人 C・C・C 富良野自然塾 副塾長 林原 博光)