VR技術は野球界に革新をもたらすことができるか。写真はイメージ(写真:アフロ)

 VRを使った次世代のトレーニングが野球界に革命をもたらすかもしれない。先日、開催されていたメジャーのウインターミーティングでトレーニングのための最新テクノロジーが紹介された。スポーツに関するテクノロジー情報を掲載しているWEBサイト「スポートテッキー」が報道したもので、 バーチャルリアリティ(VR)を使用したトレーニング方法である。

 説明するまでもなく、バーチャルリアリティーとは仮想現実のことで、人間の感覚器に働きかけ、現実ではないが、まるで現実に体感しているように感じられる環境を作り出す技術を指す。この技術を使って、実在する投手が実際に投球している仮想をVRで作り出して打撃練習が可能になった。 同記事によると、米国のTrinityVR社が開発したもので、DiamondFXという商品名がつけられている。同記事は、これを「マネーボールの次世代を作り出すものだ」と伝えた。。

 記事によると、デモンストレーションには、ヤンキースの田中将大が使われたという。

「ウインターミーティングで、エージェント、スカウト、コーチらがVRのヘッドセットを付けてヤンキースの田中将大と対戦するために打席に入った。TrinityVR社が用意したブースではタナカのバーチャルな双子が1000球ものボールを投げた。タナカは今季、1試合に110球を投げたのが最高だったが」

 投手が投げるボールの変化やスピードは、スポーツビジョン社のPITCHf/xデータから作り出したもの。PITCHf/xとは、10年前からメジャーリーグで使われるようになった最新のテクノロジーで、現在ではメジャーの全球場に取り付けられていて、スピード、変化、リリースポイント、回転などを追跡することができる。このデータを使って、実際の投手が投げているかのようなボールを打席で体験可能なのだ。

 また投手のフォームについては別の技術が使われいて「モーションキャプチャーのテクノロジーを使い田中の投球フォームを再現した。この技術とPITCHf/xのデータを組み合わせて正確な投球を再現する」という。

 またVRを使った打者が、その技術の恩恵を最大限に受けられるような工夫もされている。

「バッターは自分自身のバットを使うことができる。ボールを打ったときにはバットに小さなうなり音を手に感じることができる。バッターが打ち終えると瞬時にバットスピード、角度、打球の速度が表示される」

 VRを使えば、日々、限りなく実際の試合に近い打撃練習が可能というわけだ。