世界最大の家電見本市「CES」が1月5日から8日にかけて米ラスベガスで開催されました。CESを見れば今年1年の家電のトレンドがすべて分かるともいわれます。果たして家電の世界で今年の主役となるのはどの企業なのでしょうか。

CESでもっとも注目されたAI

ラスベガスで開かれた「CES 2017」(ロイター/アフロ)

 CESは1967年から開催されている由緒ある家電の見本市です。かつては電機メーカー各社が最新のAV機器を披露する場として機能しており、今でもそうした側面がありますが、最近はかなり様子が変わってきています。昨年のCESは自動車メーカー各社が電気自動車や自動運転技術を披露したほか、ネットの動画配信企業であるネットフリックスが基調講演を行ったことが注目されました。

 今年のCESでもっとも注目されたのは何といってもAI(人工知能)です。今年の基調講演を担当したのは、人工知能向けの半導体の設計を手がけるNVIDIAという会社でした。この会社はあまり一般には知られていませんが、人工知能や自動運転技術の分野では非常に有名な会社です。CESの名前の由来はコンシューマー・エレクトロニクス・ショーなのですが、コンシューマー向けの展示会において、一般に知られていない同社が注目されているという事実は、AI時代を象徴しているといってよいでしょう。

AIで日本メーカーの存在感が薄い?

 これまでの最新技術というのは、薄型テレビなどに代表されるように、目に見える形で普及してきました。しかしAIというものは捉えどころがなく、消費者の目には形のある製品としては現われません。しかしAIの技術は着々と家電の世界を変えつつあるわけです。

 NVIDIAと並んで、目に見えない形でCESの主役となっていたのがアマゾンです。アマゾンは、韓国LGや米GEなど、多くの電機メーカーとAI技術における提携を進めています。LGは今年のCESにおいて、アマゾンのAIと連携させ、冷蔵庫の中身の認識とアマゾンのネット通販を組み合わせるサービスを提唱しています。

 家電のネット接続は今後、急速に進んできますし、消費者は最終的には商品の購入を望んでいます。そうなってくると家電各社が独自にAI技術を開発せず、AI技術で先行し通販インフラも提供しているアマゾンと提携した方が合理的という判断を下す可能性もあります。

 これまで家電の世界は性能や価格、デザインなどが付加価値の源泉でしたが、今後はAIで何ができるかという部分に焦点が当たってくることになります。AIに関連した部分で日本メーカーの存在感が薄いことは非常に気になります。

(The Capital Tribune Japan)