民泊をめぐるトラブルが相次いでいます。14日には、ゴミの放置や騒音が近隣住民への不法行為に当たるとして、部屋を所有していた男性に賠償命令が出される裁判がありました。ただ、民泊の法的な位置付けや責任は現状、あいまいと言わざるを得ません。20日開幕の通常国会には、民泊に一定のルールを定める新法案が提出される見込みで、年間営業日数を180日間以内などとする内容だと報じられています。民泊の現状や法整備への期待と注文について、2回に分けてジャーナリスト・関口威人氏がレポートします。

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 個人の住宅などを宿泊所として貸し出す「民泊」。観光地のホテル不足や都市部の空き家対策として期待が寄せられる一方、利用者のマナーや安全管理などをめぐってトラブルも起きています。あらためて民泊の法的な位置付けと国が進める法整備、自治体として主に京都市の施策や現場の声から、「誰がどう関わるべきなのか」を考えてみましょう。

スマホが変えた民泊のシステム

[写真]日本をはじめ世界中に展開する米エアビーアンドビー。写真は渉外担当のマイク・オーギル氏(ロイター/アフロ)

 民泊とは、戸建て住宅やアパートの一室を宿泊場所に活用するサービス。広い意味ではホームステイや農村での宿泊体験なども民泊と言えます。

 ただし、アメリカで2008年に始まった民泊サービス「エアビーアンドビー(Airbnb)」が成功を収め、ほのぼのとした民泊のイメージやシステムは様変わりしました。エアビーアンドビーは、インターネットを通じて世界中の膨大な数の借り手と貸し手を結びつけます。現在は約190か国、3万4000都市で200万件の物件が扱われ、6000万人以上が利用。その背景には、時間や場所の制約をなくすスマートフォンの普及や、個人の信頼性を担保しやすいソーシャルメディアの発達などの技術的進化もあります。(総務省『平成28年版情報通信白書』)

 日本でも、エアビーアンドビーがサービスを開始するとともに、急増する訪日外国人の滞在先不足や人口減少によって急増する空き家の活用面から民泊が注目され始めました。

 しかし、日本では継続的に繰り返し有料で人を泊める民泊は旅館業法の「旅館業」とみなされます。開業には旅館業法のほか、建築基準法や消防法の基準を満たした上で、都道府県知事(保健所のある市の市長や特別区は区長)の営業許可を受けなければなりません。また、感染症のまん延やテロ、犯罪の温床となることを防いだり、地域によって違う「ごみ出し」をめぐって近隣住民とトラブルになったりしないよう、新たなルールづくりが求められています。