[写真]5年目のLCCはどうなるのか。写真は成田国際空港(ロイター/アフロ)

 2012年3月に日本で初めての格安航空会社(LCC)が就航してまもなく5年を迎える。就航当初は安全性や遅延、欠航などの問題が多く取り上げられてきたものの、利用者が自身の旅のスタイルに合わせて選択することに慣れたことや、リピーターや外国人観光客が増加していることで、各社ともに高い搭乗率を記録している。昨年は個性的な路線を開設するなど、各社の個性が光った。今年のLCCを展望してみる。

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2016年の動きをおさらい

[写真]国内LCC3社の機体

 まず昨年一年間のLCCの動きを振り返りたい。中国の春秋航空などが出資する春秋航空日本は、2月に日本のLCCとして初の中国線となる東京(成田)~武漢・重慶の中国の地方都市を結ぶ2路線を就航した。また、ピーチ・アビエーションは11月に東京(羽田)・大阪(関西)~上海(浦東)線に就航、ジェットスター・ジャパンも成田~浦東線を今年1月に開設する予定だったものの、中国当局から認可が得られないため延期する。特に中国の大都市からは、従来のツアー客に代えて個人旅行客が増加していることから、その流れをうまくつかめるかが焦点になる。

[写真]バニラエアの新規路線開設記念セール

 バニラエアは国内LCCとして初の「以遠権」を活用した、成田~台北(桃園)~ホーチミン線を9月に開設した。以遠権とは第三国を経由してさらに遠くまで飛行機を飛ばせる権利。成田から搭乗した場合、台北で一度飛行機を降り、再度搭乗する必要がある。

 例えば、早朝の便で成田から台北に向かい、台北でアツアツの小籠包、マッサージ、温泉を楽しんでから空港に戻り、ホーチミン行きに乗ることも可能なスケジュールなのが最大の魅力だ。昨年12月には成田~セブ線に就航、初便の予約は満席で、年末年始を中心に予約状況は好調。フィリピンのリゾート地セブは通年で温暖な気候で、家族旅行や留学などの需要取り込みを目指す。旅行代理店関係者によると、もともと2月から3月の学生の休暇シーズンには留学のグループ予約が多く、乾季で観光のベストシーズンと重なることから予約が取りづらい状況だったといい、これが改善されれば従来よりさらに割安な留学も可能になる。

 バニラエアのほか、チェジュ航空、スクート、セブパシフィック航空など8社は昨年5月に「バリューアライアンス」を設立した。アジア太平洋地域の160地点以上を約180機で網羅する。各社の航空券を相互に販売することで、利用者の選択肢が増えるとともに、万一、飛行機が遅れて予約した乗り継ぎ便に間に合わなかった場合でも、空席がある次便の利用ができることから、利便性が向上する。すでにバニラエアとスクートの乗り継ぎ航空券は購入可能で、シンガポール~成田~奄美大島といった航空券を一度の決済で購入できるようになっている。