楽天が導入するチケット価格変動性をめぐる是非

 楽天が2017年から観戦チケットの販売価格を変動制にすることを発表した。ソフトバンクでも、2016年から一部の座席料金を天候や対戦相手に応じてリアルタイムに変動させることを試験的に導入していたが、本格的な“チケット時価制”は、日本プロ野球では初の試みだ。

 早くもファンの間では、SNSを通じて「実質の当日チケットの値上げだろう」「時価にするならその値段に見合った試合をして」「わかりにくい」「転売防止策か」「面白い発想」などと賛否が沸騰している。

 実は、米プロスポーツでは、チケットの販売価格を変動させることは、すでに定着している。2010年以降、導入されていて「ダイナミック・プライシング」と呼ばれているものだ。

 チケット価格変動制は、先発投手やその日の天候などの影響で、需要の変化に応じて値段がリアルタイムで変動するものと、リアルタイムでは変動しないが、あらかじめシーズン前に分かっている対戦相手や試合開始時間、曜日などによって異なる価格設定をしているものがある。現在、メジャーリーグの大半の球団がこのどちらかのケースや、2つを組み合わせた形でチケットを販売している。

 例えばロイヤルズなら、20試合、41試合、全ホームゲーム81試合パッケージのシーズンチケットがあり、それぞれ対戦相手や曜日、開始時間によって価格を変えている。価格設定は「開幕日」「マーキー」「プライム」「セレクト」「クラシック」「バリュー」の6種類。41試合のシーズンチケットの場合、ネット裏の席は「バリュー」が最も安く1試合あたり164ドル(約1万9000円)、「クラシック」は1試合あたり189ドル(約2万2000円)、「セレクト」は222ドル(約2万5000円)、「プライム」が296ドル(約3万4000円)、「マーキー」は408ドル(約4万7000円)、人気の「開幕日」は602ドル(約6万9000円)と高く設定されている。

 レッドソックスでは、2014年からレフトにある名物のグリーンモンスターの上に設置された席を、リアルタイム価格変動制で販売している。14年3月のプレスリリースによると、「メジャーリーグ球団のうち、8割が様々な形での価格変動制を導入している」と述べており、3年前にはすでに大半の球団が価格変動制を敷いていたようだ。

 ただ、メジャーの流れからすると、これから日本も楽天に続く球団がどんどん出てきても不思議ではないが、課題がないのか? と言えば、そうでもない。

 球団にとっては、需要と供給がマッチする金額でチケットを販売できるかがカギ。人気のカードと見込んでも、ファンが「設定価格が高過ぎる」ことを理由に購入を見送れば、ビジネスとしては失敗。データを活用して、できるだけ全席が埋まるように需要を把握し、ファンが購入してくれるような価格の設定をすることが重要になってくる。

 つまり適正価格を球団が設定できるのか、どうかという問題だ。