撮影:高橋邦典

 温暖化を引き起こす排出ガスのなかで、二酸化炭素に次ぐのがメタンガスだ。驚くべきことに、大気中に排出されるメタンの3分の1以上が牛や羊などのゲップによるものだという。

 一度飲み込んだ食物を口に戻して再び咀嚼する反芻動物は、消化の過程で発生した多くのメタンガスを呼吸中に排出する。世界中で30億頭以上といわれる家畜から出されるメタンガスは一日あたり一兆5千億リットルで、これは東京ドームの1万2千杯分以上に相当する。メタンガスには二酸化炭素の20倍以上の温暖化効果があるから影響は深刻だ。

フォト・ジャーナル<地球温暖化のいま>- 高橋邦典 第43回

撮影:高橋邦典

 さらなる問題は、家畜を飼育するために必要な、莫大な餌や水の量だ。牛肉1キロを生産するために、餌となる飼料用穀物が11キロ、豚肉では7キロ、鶏肉では3キロが消費され、水にしても、牛肉には同量の小麦を栽培する200倍以上が必要になる。牛を飼育する代わりに、同じ広さの土地で豆や芋を栽培すれば、牛肉の何十倍も収穫できる計算だ。

 こんな話をきくと、たかが牛肉のために、なぜこんなに非効率で環境に悪いことをしてるんだ、とうんざりもするが、されど牛肉、焼肉やバーガーの好きな自分に偉そうなことは言えたものではない。それでも、近年は心がけて魚や豆、鳥肉に食事の比重を移したので、今では牛肉を食するのはせいぜい2週間に一度ほどになった。仮に世界中の牛肉好きが皆、食べる頻度を半分ほどに減らすだけでも、地球の将来にかなりの貢献ができるのではないだろうか。

(2001年5月/2010年1月撮影)

※この記事はTHE PAGEの写真家・高橋邦典氏による連載「フォト・ジャーナル<地球温暖化のいま>」の一部を抜粋したものです。