国内最高タイムで優勝のテープを切ったキプサング(写真:ロイター/アフロ)

 今夏のロンドン世界陸上の選考会を兼ねた東京マラソンが26日、東京都庁前スタート、東京駅前行幸通りゴールの42.195kmのコースで、市民ランナーを含めた約3万6000人が参加して行われ、ロンドン五輪銅メダリストで元世界記録保持者のウィルソン・キプサング(34、ケニア)が2時間3分58秒の大会記録で優勝した。惜しくも2014年9月のベルリンでデニス・キメット(ケニア)が作った2時間2分57秒の世界記録を塗り替えることはできなかった。

 また日本人トップは、2度目のマラソン挑戦となった井上大仁(24、MHPS長崎)で2時間8分22秒のタイムで全体の8位でゴールした。

 快晴。スタート時点の気象条件は、向かい風0.6m、気温9.3度という最高のコンディションでニュー東京マラソンが始まった。11回目を迎える今大会は、高速コースに変更された。佃大橋などレースの後半に4つの橋が待ち受けていて、そのアップダウンと風がタイムを落とす原因になっていた難所を避けたコース設定となり、しかも、大会史上最速のペースメーカーが用意された。

 青いシャツを着たペースメーカーは3パターン準備され、7人のペースメーカーのうち第1グループが「2時間2分57秒の世界記録更新」の超最速ペースメーカーで1kmを2分54、55秒のペースで30kmまで先導。第2グループは「日本国内最高記録の2時間5分18秒更新」を狙う2分58秒のペース、第3グループは「2時間7分以内」を狙える3分00、01秒に設定されていた。

 だが、最初の1kmは2分46秒。5kmは世界記録を28秒も上回る14分13秒の通過で、予定以上の超ハイペースでのスタートなった。そのため、早々に先頭集団は縦長に崩れ、日本勢は初マラソンでリオ五輪1万m代表の設楽悠太(25、Honda)一人だけが、全体の9位前後で食らいついていくという展開となった。15kmの通過タイムでは設楽も14年前に作られた2時間6分16秒の日本記録を上回るペースだった。

 門前仲町にある折り返し地点では、キプサング、2014年に大会記録を作ったディクソン・チュンバ(30、ケニア)、ギデオン・キプケテル(24、ケニア)ら4人が先頭集団で通過。中間地点での通過タイムは1時間1分21秒。依然として世界記録を20秒以上も上回るペースをキープしていた。

 勝負はペースメーカーが離脱した30km地点手前の銀座で、予想通りにキプサングとチュンバの一騎打ちの様相となった。35kmの手前でキプサングが揺さぶりをかけてチュンバを引き離し一気にトップに抜け出した。ここから先は世界記録への挑戦が焦点となったが、気温の上昇もあってキプサングはペースを上げることができなかった。それでも2時間3分58秒は、国内最高記録となった。