#01 知られざる殺戮

(2016年6月撮影)

トルコの南東部、シリアとの国境を要するクルド人の町シズレ。砲弾による大穴と、無数の銃痕の残る建物の前を、母親に手を引かれた少女が歩いていく。戦闘が終わりすでに4か月が経っていたが、町にはまだその傷が生々しく残っていた。

シズレは一昨年の12月からトルコ政府の治安部隊によって79日間封鎖され、激しい戦火にさらされた。クルド人の分離独立を掲げる武装勢力であるクルド労働者党(PKK)の一掃が封鎖の名目だったが、治安部隊は戦闘員と一般市民の区別もなく殺し続けた。幼児を含む犠牲者の数は250人以上。しかし、メディアに厳しい規制が敷かれたこの弾圧は、ほとんど海外ニュースの話題にのぼらず、「知られざる殺戮」となった。

(2016年6月撮影)