AO・推薦指導専門スタッフ(左)と共に自分の興味関心を掘り下げる高校生(早稲田塾提供)

 書類審査や小論文、面接によって合否を判定するAO・推薦入試を経由した入学者が増えている。2015年度の大学入学者のうち、すでに4割以上を占めており、私立大学では半数以上、一般入試が多かった国立大でも15%に迫っている。これまでは「一芸入試」と見る向きもあったが、今では多くの受験生が、合格のチャンスを広げる目的で利用しており、AO・推薦入試の指導に定評のある塾では、一般入試と併願することで、合格率を約3倍まで伸ばすことも可能だという。

早稲田塾ではAO・推薦入試と一般入試の併願で早慶上智の合格率が約6割に

 「AO・推薦入試で、早稲田・慶應・上智大学を受験した塾生の合格率は54.2%です。一般入試も含めると60.0%まで伸びます。一般入試しか受けていない受験生の合格率が19.0%であることを考えれば、合格率が約3倍になっている。AO・推薦入試に挑戦しない手はないと言えます」。そう話すのは、AO・推薦入試の指導で実績を伸ばしている早稲田塾(本部・東京都新宿区、首都圏に23校を展開)の斉藤嘉邦・第1事業部長だ。

 斉藤部長によると、AO・推薦入試に挑戦する塾生は、部活動の全国大会優勝や、科学や芸術分野の国際大会での受賞歴など「一芸」がない塾生も多くなっているという。確かに文部科学省の調べでは、2015年度の大学入学者のうち、AO・推薦入試経由の入学者は26万4490人にも及ぶので、その全員が「一芸」を持っていることはないだろう。「意外に知られていないのですが、AO・推薦入試は一般入試との併願が可能です。AO・推薦入試に挑戦することは志望校に合格するチャンスを広げることにつながるのです」(斎藤事業部長)

 では、AO・推薦入試はどのような選抜方法なのか。

 AOと推薦の主な違いは、「学校長の推薦の有無」だ。
 推薦入試には主に指定校推薦と公募制推薦と自己推薦があり、前二つの形式はいずれも校長の推薦が必要になる。
 指定校推薦については、高校に割り振られた「指定席」を得るため高校1年生から高校3年生の1学期までの成績で、校内の選抜を勝ち抜かなくてはならない。
 公募制推薦は、大学が設定した受験資格である評定平均等をクリアすれば、全国どの高校からも出願できる。
 AO及び自己推薦の場合は学校長の推薦は必要なく、大学が求める人物像に合致した学生かどうかを基準に、主に書類審査や面接によって合否を判定する。

 共通して重要になるのは志望理由書などの書類、面接や集団討論、小論文などだ。志望理由書では、自分がどのようなバックグラウンドを持っているか、これまでの活動報告(ポートフォリオ)とともに、将来のなりたい人物像やそれを実現するために大学で何を学びたいかといった内容を論理的に表現しなければならない。また面接や集団討論では、人とのコミュニケーション力、論理的に話す力などが見られ、小論文では課題解決力などが問われることになる。