『T2 トレインスポッティング』

 1996年に公開されたユアン・マクレガー(46)の出世作、映画『トレインスポッティング』。90年代を代表するUKポップカルチャーの代名詞として、映画や原作本、サウンドトラックなど、世界中に爆発的なブームを巻き起こした。モノクロ写真にオレンジ白ヌキのタイトルがデザインされたポスターや印象的なテーマ曲「ボーン・スリッピー」を覚えている人も多いだろう。

 4月8日公開の『T2 トレインスポッティング』は、前作の主人公らの20年後が描かれている。
 

【連載】<映画評2017>

左からスパッド(ユエン・ブレムナー)、マーク・レントン(ユアン・マクレガー)、サイモン(ジョニー・リー・ミラー)、ベグビ―(ロバート・カーライル)

 舞台は前作同様、スコットランドのエディンバラ。仲間と山分けするはずだった大金を持ち逃げし、20年ぶりにオランダからこの地に戻ったマーク・レントン(ユアン・マクレガー)、パブ経営をしながら、売春、ゆすりを稼業とするシック・ボーイことサイモン(ジョニー・リー・ミラー)、家族に愛想を尽かされ、孤独に絶望するスパッド(ユエン・ブレムナー)、刑務所に服役中のベグビ―(ロバート・カーライル)が再会し、ハイテンションな展開を繰り広げる。このざっくりとした現在の彼らのステータスを読む限り、彼らの成長はまったく期待できない。

いちばんヤバいベグビ―(右)に追い詰められる『T2 トレインスポッティング』

 そして時を経た彼らの容姿は、多少のオッサン化は否めない。顔には歩んできた人生の年輪とも思わせるシワを刻み、額も広く感じられ、スリムだった体型も少々だぶつきを見せている。それでもカッコ悪くなっているわけでもなく、むしろ前作を観ている者には、懐かしい友人や同級生に会った気分になれる。相変わらず「バカだな、やんちゃだな」とつぶやいてしまいそうだが、その“相変わらず”がうらやましくも思える。

 製作者サイドはそれを織り込み済みなのか。ダニー・ボイル監督は「10年前だと、俳優たちも変わっていない」が、20年という歳月は「その時間の重さを実感できる長さだ」と話す。

 「作るなら、今か、永遠になしか、そのどちらかだ」

 つまりは絶妙のタイミングだったというわけだ。役者にとっても観客にとっても。

『T2 トレインスポッティング』

 ボイル監督がジョン・ホッジに書いてもらった脚本を俳優たちに送ったとき、「この脚本をやらないなんて、どうかしている」と思えたくらいの自信作だ。4人が今、どんな暮らしをしているのか、子どもはいるのか、どんな関係なのかをイメージしながら、リアリティーを持たせて脚本を書いたホッジ。彼らの子どもの頃や前作の映像の効果的な挿入が、ノスタルジーを掻き立てる。

 「20年後のヤツらは成長したのか?」そして「彼らが選んだ未来は?」

 これらの問いに対する答えは、劇場で探してみてほしい。

『T2 トレインスポッティング』4月8日(土)丸の内ピカデリーほかにてロードショー