[イメージ]物流量が爆発的に増え、若い運転手の確保が課題になっています(写真:ペイレスイメージズ/アフロ)

 3月12日、道路交通法が改正されます。今回の改正で自動車免許の区分が変わり、新たに準中型免許が創設されることになりました。

 自動車の運転免許は、2007(平成19)年6月1日に新制度に切り替わっており、このときに普通免許と大型免許の中間的な存在として中型免許が誕生しています。今回の道交法改正は、10年ぶりに免許制度を大きく変えると言われています。準中型免許が創設された背景にはどんな事情があるのでしょうか?

かつては年収1000万円稼げる人気職業だったが……

 昨今、ネット通販の取扱量が急増したことで物流業者が窮地に追い込まれています。物流業者の取扱量は増加の一途をたどっていますが、それらを配達するドライバーの数は追いついていません。また、人数のほかにも高齢化も深刻な問題です。高齢化が問題視されている反面、若い人たちからは、トラックドライバーが敬遠される職種にもなっています。流業業界では、若いドライバーの確保が悩みの種になっているのです。

 一昔前、トラックドライバーは年収1000万円を稼ぐことができるとして人気のある職業でした。トラックドライバーに求められるスキルは普通自動車免許だけということもあって、高校を卒業したばかりの若者がたくさん志望していました。

 しかし、時代は大きく変わります。トラックドライバーは若者に不人気な職業になってしまったのです。そこには、長時間労働の常態化と低賃金という2つの負の要素があります。自動車専門雑誌『トップギア・ジャパン』編集長の有賀香織さんは、その背景をこう説明します。

「今般、物流業者は価格競争を強いられていますが、それは1990(平成2)年に貨物自動車運送事業法が改正されたことに起因しています。同法改正により、トラック輸送事業は免許制から認可制に切り替えられました。同時に最低運賃が撤廃されて、業界内で価格競争が始まりました。以前からトラックドライバーは負担の大きな職業でしたが、その反面で高給で独立も可能という魅力的な職業でもありました。ところが、法改正で稼げる職業ではなくなり、単なる長時間労働・低賃金という過酷な職業になってしまったのです」。