高齢者の都心回帰がはじまった

「大阪は投資魅力がある」と語る松井一郎知事=大阪府東京事務所(撮影:倉谷清文)

── 大阪は全国最初のニュータウン・千里ニュータウンができるなど、ドーナツ化現象で郊外に広がっていったと思うのですが、これからの都市構造・機能面で、イメージしている人口対流はありますか。

 都心回帰という形で、高齢者の皆さんが都心部にお住まいになる、そういう状況に今、なってきているわけです。そうした高齢者の皆さんというのは、長年の努力によって資産も持っていますから、その資産を活用して都心部に戻り、都市の中心でさまざまなサービスが手軽に受けられる、そういうことを望んでいると思うんです。

 だから、都心に帰ってくるということは、都心から離れたところが少し空いてくるということなので、そのエリアに今度は、これから子育てをしようという若い世代の皆さんが、住居を構えていくことを促していくような施策が必要なのかなあと、思っています。

人口減少時代

東京よりも“伸びしろ”がある

大阪府は「健康」「医療」を核にした都市の形成を目指している(大阪府提供)

── 東京圏と比べると、大阪は大都市でありながら、通勤などの環境面がいいことをアピールしていたと思いますが、今後はまちの組み直し、つくり直しのようなことも施策に入ってくるのですか。

 これは入ってきます。高度経済成長以降、東京一極集中が進みました。大阪から企業、人、お金が東京にどんどん流れ込んでいった、ということで、大阪の経済の規模だとか、社会人口とか、パイが小さくなってきたわけなんです。
 
 でも、考え方によれば、これは非常にチャンスで、大阪に対しての投資魅力があるということですから。東京は、投資するにも今、非常にコストも高くなっている部分もありますので。そして、労働環境においても、先ほど言われましたけれども、東京の朝の通勤電車なんて、もう乗れない状況。非常に東京都は住みにくい。物価も高いですし、そういう状況になっている。
 
 でも、大阪の場合は、幸いにしてというか不幸にしてというか、高度経済成長以降、低迷していた。逆にいうと、伸びしろが非常にあるということですから、ぜひ大阪の伸びしろに、新しい産業の柱を立てて、大阪の経済、都市としてのポテンシャルを引き上げていきたいと、こう思っています。