米軍は13日、核兵器以外の通常兵器としては最強の破壊力を持つといわれる大規模爆風爆弾(MOAB)をアフガニスタンに投下しました。MOABとはどのような爆弾で、なぜ米軍はこのタイミングでアフガニスタンに投下したのでしょうか。

[資料写真]通常兵器として最強の破壊力を持つといわれるMOAB(提供:U.S. Air Force/ロイター/アフロ)

 MOAB(モアブ)は約10トンという極めて大量の爆薬を搭載した超大型爆弾です。MOABはMassive Ordnance Air Blastの略ですが、通称として「すべての爆弾の母(Mother Of All Bombs)」とも呼ばれることもあります。イラク戦争の前後に開発されたといわれますが、実戦で投下されるのは今回が初めてです。

 通常の爆弾は地上にある建物などを破壊するために使用されることがほとんどです。したがって通常の爆弾は、目標に着弾すると同時に信管(爆弾を作動させるための装置)が動作し、目標物を破壊することになります。

 しかしMOABは地上に着弾するより少し前(地上数メートルの高さともいわれる)に爆発するように設計されています。その理由は高い位置で爆発させることにより、周囲に強力な爆風を到達させるためです。つまりMOABは特定の目標物を破壊するというよりも、周囲にある人や小さな施設、装備などを爆風で一気に吹き飛ばすことを目的としたものであり、通常の爆弾とは用途が異なっているわけです。

 爆弾は大きくなりすぎると火薬の燃焼効率が下がり、100%の力を発揮できません。またサイズが大きいと現場での取り回しも困難になるため、一定以上の大きさは敬遠されます。

(提供:U.S. Air Force/ロイター/アフロ)

 MOABは全長が9メートル、直径が1メートルと外形寸法が極めて大きく、通常の爆撃機に搭載することができません。MOABを投下するためには、大型輸送機に積み込み、後部の貨物扉からパラシュートを付けた状態で放出するという方法が用いられますが、これも広範囲に強力な爆風を発生させたいという特殊な目的があるからです。

 今回、米軍はMOABの投下によってIS(イスラム国)戦闘員36人を殺害し、3つの地下トンネル、武器・弾薬を破壊したと報道されています。周囲にある人員や弾薬、施設などをまとめて破壊もしくは殺傷するわけですから、まさにMOABの目的に沿った使用法といえます。

 こうしたMOABの特徴を考えると、北朝鮮に対する空爆に使用される可能性は極めて低いとされており、トランプ大統領も直接的な言及は避けました。しかし、このタイミングでわざわざMOABを投下したのは、政治的に見れば、やはり北朝鮮へのプレッシャーと考えるべきでしょう。

(The Capital Tribune Japan)