[写真]白馬村の取り組みを報告した宮田氏(写真左)

 長野県の白馬村観光局は、ジョージア(旧グルジア)共和国で開催された国連世界観光機関(UNWTO)の第3回国際会議で、バブル以降の観光事業の再生やIT企業との連携による「IT×地方創生」の取り組みを日本代表として報告しました。参加各国は白馬のスキーなど山岳観光再生の挑戦やパウダースノーに強い関心を示し、今後の交流のきっかけづくりが進みました。

山岳観光の持続的成長がテーマ

 国際会議は、各国の山岳観光の課題研究や情報交換の目的で、ジョージアの首都トビリシで4月4日から6日までの3日間開催。「欧州アジア山岳リゾート・カンファレンス」として各国の観光機関、企業などから300人が参加しました。

 会議は「山岳観光の持続可能な成長のために、どんなイノベーションを起こせるか」を議題にスイス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オーストリア、アメリカ、イラン、ネパール、南アフリカ、ジョージア、日本の12か国が報告しました。

 報告テーマは国情によりさまざまで、アメリカやジョージアなどは「山岳観光の持続可能なツーリズムへの取り組み」、フランスやスイスなどは「リゾート開発計画・設計」、「リゾート投資とファイナンス」。中国などは「新たなリゾート地の開拓と再魅力化」を取り上げ、ドイツ、スペイン、オーストリア、日本は「IT を活用した山岳観光のこれから」について報告しました。

外国人観光客30万人、客足戻る

[写真]山岳観光振興の挑戦が国際会議で注目された白馬村

 日本は白馬村観光局の宮田誠・ビジネス開発パートナーが「IT 企業との戦略的提携による、地方創生への取り組み」として、白馬村とヤフーが2015年に締結した連携協定による「IT×地方創生」事業などを説明。ITを活用した子供への教育や白馬高校の観光英語の授業のほか、プログラミング教室をヤフーが提供してITの人材育成に取り組んでいることなどを報告しました。

 その背景について、1998年長野冬季五輪後にスキー客が3分の1まで減少、多くの宿泊施設の廃業などがあったことを挙げ、歯止めをかけるために「インバウンド観光」に本腰を入れて「冬期間に約30万人もの外国人観光客を受け入れるまでに復活した」と報告。ヤフーとの連携協定は、そうした活性化策をさらに人材育成を含む幅広い取り組みとして位置付けていることを説明しました。

 インバウンド対策が進んだ地の利として、年末から翌年5月までの長い期間楽しめる白馬の豊富な雪があったことを指摘。またその雪も、ここ数年雪不足が深刻な欧州と違って、北海道のニセコスキー場とともにパウダースノーを楽しめる白馬が強い誘客力を発揮した点を挙げました。

 さらに、冬の対策から夏の観光にも目を向け、7 年前からトレイルランニングの国際大会を開催するなど地域を挙げての取り組みが功を奏し、夏の観光客の増加につながっているとしました。

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