「踊る大捜査線」などをヒットさせたことで知られるフジテレビの亀山千広社長が業績不振の責任を取って退任することになりました。フジテレビは現在、一人負けの状態となっていますが、かつて圧倒的な人気を誇った同社に何が起こっているのでしょうか。

写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ

 フジ・メディア・ホールディングスは11日、グループ・トップの日枝久会長と中核子会社であるフジテレビジョンの亀山千広社長が共に退任する人事を発表しました。日枝氏は30年にわたってグループを牽引してきた人物であり、亀山氏は「踊る大捜査線」や「ロングバケーション」といったヒット番組のプロデューサーとして知られています。両氏が共に退任となるのは、同社の業績が大きく落ち込んでいることが原因です。

 同社の2017年3月期の業績は売上高こそ前年をわずかに上回りましたが、営業利益は223億円と前年を8.5%も下回る結果となりました。業績が低迷しているのは、稼ぎ頭である中核子会社フジテレビジョンの業績が伸び悩んでいるからです。フジテレビの売上高は前年比3.2%のマイナス、営業利益は27%のマイナスでした。その理由は当たり前ですが、フジの視聴率が下がっているからです。

 同社の2016年度における全日視聴率(関東地区、ビデオリサーチ調べ)は5.7%と、在京主要キー局(テレビ東京を除く)の中では最低となっています。トップを走る日本テレビは8.4%ですから、かなりの差を付けられているといってよいでしょう。

 フジを除く各局の視聴率は何とか横ばいを保っているのですが、フジだけは亀山氏が社長に就任した2013年以降、ほぼ毎年視聴率を落としています。亀山体制の下で人気番組を作ることができず、これが視聴率の低下につながっていることはほぼ明らかです。

 亀山氏は、看板番組の一つであったタモリの「笑っていいとも!」を打ち切るなど思い切った構造改革を試みましたが、数字にはつながりませんでした。亀山氏がプロデュースした「踊る大捜査線」には「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ!」という名セリフがありましたが、社長となった亀山氏は、かつてのようには現場の状況をうまく把握できなかったのかもしれません。

 今後、同社が視聴率を回復できるのかは新社長の手腕にかかっていますが、一度、落ちた視聴率を戻すのは並大抵のことではありません。同社の苦境はしばらく続きそうです。

(The Capital Tribune Japan)