最近、仮想通貨ビットコインの価格が急騰しています。積極的に買いを入れているのは日本人投資家と言われていますが、なぜビットコインに買いが集まっているのでしょうか。

(ロイター/アフロ)

 これまでもビットコインは価格上昇が続いていましたが、その主な要因は中国人投資家による買いでした。中国人の中には自国の通貨制度を信用していない人もおり、事業などで稼いだお金を海外に密かに移転させるケースがあります。ビットコインはこうした資金の受け皿のひとつとなっており、これが継続的な買いをもたらしていたわけです。

 ところが中国当局がこうした動きに神経を尖らせ、規制を強化したことから、中国人による買いは少なくなったといわれています。また、中国ではキャッシュレス化が猛烈な勢いで進んでおり、一般的な決済目的でビットコインを使う人も増えています。ビックカメラなどが今年の4月から店頭でのビットコイン支払いに対応したのも、日常的にビットコインを使う中国人観光客を意識してのことです。

 中国人による買いが減少したことでビットコインの価格は下がると思われていましたが、現実の動きはまったく逆でした。昨年末には1BTC=10万円を突破、今年に入って価格はさらに急上昇し、5月には何と一時30万円を超えるまでに値上がりしています。最近の価格上昇の主な要因は中国人ではなく日本人投資家の買いといわれています。

 日本では今年の4月から改正資金決済法が施行されており、ビットコインは準通貨として正規に利用できるようになりました。法的にグレーな面がなくなったことをきっかけに多くの日本人投資家がビットコイン投資に参入したと考えられます。

 もっとも法整備が進んだとはいえ、多くの人がビットコインを持つような状況ではありません。それにもかかわらず価格が急騰するほど日本人による買いが進んだ背景には、FX(外国為替証拠金取引)からの投資家流入があるといわれています。このところ為替市場は値動きが安定しており、投機を狙うFXの投資家にとっては儲けのチャンスが少なくなっています。まだ値動きが荒いビットコインに乗り換え、積極的な売り買いを繰り返しているわけです。

 しかしながら、こうした動きも徐々に落ち着いてくる可能性が高いでしょう。少額決済の手段としてビットコインは普及が進んできており、こうした日常的な使い方をする人にとって、価格の乱高下はあまり喜ばしいことではありません。一般的な利用が進むにつれて投機的な投資家も減り、価格は安定してくると考えられます。今ビットコインが値上がりしているからといって安易に投機に参戦するのは慎重になった方がよさそうです。

(The Capital Tribune Japan)

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