未病の考えに共感の輪、国際戦略で世界中と覚書

「世界中から神奈川の超高齢社会に向けた取り組みが注目されている」と話す黒岩祐治・神奈川県知事=神奈川県庁(撮影:倉谷清文)

 最初は霞ヶ関、本当に思考が止まったんだけれども、私たちは、何度も繰り返し主張してきました。同時に、国の中だけで上げていくのは大変だというので、あえて国際戦略、世界のいろんなところ、共感をしてくれたところと覚書をどんどん結んでいきました。

 これは、そうそうたるところで、シンガポールの政府の機関とか、アメリカの州、それからアメリカのそうそうたる大学、病院とか。もうイギリスから、フランスから、みな政府機関、そしてWHO世界保健機関。こことも覚書を結んだという中で、共感の輪が広がったということを踏まえて、これで日本を変えていこうということで、私は政府の健康医療戦略の参与になっているのですけれども、その参与会合の場で未病の話をずっとしたんです。

 そうしたら、最初はもう無視だったんですけれども、結果的にこの2月、政府の健康医療戦略という中に未病という言葉が初めて書き込まれたということですね。霞ヶ関も大きく変わったという、こういうことです。だから、これはまた新しいモデルが始まるということ。

 WHOも、非常に共感をしてくれているというのはなぜかといったら、WHOがつくった世界の地図があるんですけれど、これは高齢化がどんなふうに進んでいくかという地図なんです。現在の地図は、世界の中で日本が真っ黒けで、あとはその色がついていない。超高齢社会が、日本が一番進んでいるということが、一瞬にして見える地図です。これを5年ごとにパッパッパッパッパと変えていくと、この色が全体にバババババッと広がってくるのです。

 2050年になると、全世界のあちらこちらが同じような色になってくる。ということは、要するに、超高齢社会というものは、日本が一番早く見えているということですね。その日本の中でも一番早く進むのが神奈川県。だから、神奈川県で超高齢社会の問題をアピールすると世界が注目するのです。

 だからWHOも、神奈川の取り組みに大変注目してくれているわけです。それで、その発想、どうやって乗り越えるかという考え方、実践を世界に向けて発信していこうと。今チャンスが訪れているのであって、どんどんそれを進めているところなんですね。