小惑星が地球に衝突することは珍しくない――。隕石や塵のような小さなものも含めれば、地球には毎日のように何らかの物質が落下しています。

 2013年にロシアのチェリャビンスク州を襲った直径17メートルの小惑星。上空20キロで空中爆発を起こしたこの小惑星が、もし地上まで到達していたら、直径200メートルのクレーターができ、砕け散った岩石が100キロ四方に飛び散るなど、広範囲にわたって甚大な被害を与えていたと考えられています。空中爆発のおかげで最悪のケースを免れたといえますが、それでも衝撃波で割れたガラスの破片などにより、1500人ほどが負傷しました。このように、比較的小さな小惑星でも、たとえ地表に到達しなくても、脅威となり得ます。

【画像】珍しくない小惑星の地球への衝突 46億年の歴史でみると(前編)

[写真]夜空に一筋の光をたなびきながら地球に帰還する「はやぶさ」。はやぶさが持ち帰った小惑星「イトカワ」から持ち帰った物質からさまざまなことが分かってきた(Wakayama University Institute for Education on Space/ロイター/アフロ、2010年6月撮影)

 小惑星衝突の脅威が真面目に議論されるようになったのは、実は割と最近のことです。観測技術の進歩により多くの小惑星が見つかってきたこと、そしてその中に地球に衝突する可能性があるものがあると分かってきたことが背景にあります。私たち人類はどのように小惑星衝突という脅威に立ち向かうのか? その知恵を共有するために2004年から開かれるようになったのが国際会議「プラネタリー・ディフェンス・コンフェレンス」です。今年は、5月15日から5日間、東京のお台場にある日本科学未来館で開催。世界各国の科学者が集まって、地球に衝突する可能性のある小惑星の早期発見方法や、衝突の回避方法などについて白熱した議論が交わされました。

地球に衝突しそうな天体を見つけて調べる

 衝突回避に向けた最初のステップは、衝突の危険性のある小惑星を見つけることです。地球近くの小惑星でまだ発見されていないものは相当数あると推測されています。その未知の小惑星の中には、地球に衝突しかねない小惑星があるはずです。近年、観測技術の発達、多くの地域での天文台の設立、そして一般の天文愛好家の助けによって、より小さな小惑星も続々と見つかってきました。

 次に、その小惑星に衝突の可能性があるかどうかを調べます。それには、正確な軌道を割り出す必要があります。ただ見つけるだけではなく、同じ小惑星を追跡して何回も観測することが重要なのです。このようにして分かった、今後150年の間で最も地球の近くを通過する小惑星は、大きさ約300メートルの「アポフィス」です。2029年の4月13日に地球からおよそ4万キロ(赤道の長さと同じくらい)のところを通過すると計算されています。精密な計算によって、小惑星アポフィスが地球に衝突する可能性は否定されています。とは言え、まだ発見されていない小惑星も相当数あるため、油断はできません。

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