スーウティ・チャィを作る=シリンゴル盟・シローンフブートチャガン・ホショー(2012年3月撮影)

 日本の3倍という広大な面積を占める内モンゴル自治区。その北に面し、同じモンゴル民族でつくるモンゴル国が独立国家であるのに対し、内モンゴル自治区は中国の統治下に置かれ、近年目覚しい経済発展を遂げています。しかし、その一方で、遊牧民としての生活や独自の文化、風土が失われてきているといいます。

 内モンゴル出身で日本在住の写真家、アラタンホヤガさんはそうした故郷の姿を記録しようとシャッターを切り続けています。内モンゴルはどんなところで、どんな変化が起こっているのか。

 アラタンホヤガさんの写真と文章で紹介していきます。


【写真特集】故郷内モンゴル 消えゆく遊牧文化を撮る―アラタンホヤガ第2回

内モンゴル自治区の地図

 朝、遊牧民の女性は火を起こし、ミルクティーの準備をする。ミルクティーとはスーウティ・チャィであり、レンガ状に固められた茶葉を斧や包丁で細かく砕き、それを水に入れ、沸かし、そこに塩とミルクを入れてお茶にする。スーウティ・チャィにキビとバターを入れて飲むのが一層美味しくなる。

 お茶を飲む際、硬いチーズやウルーム(クリーム)やバターを入れて食べる。モンゴルでは乳製品は大切な食べ物であり、とても神聖なものでもある。

 お年寄りは毎朝、必ず、お茶が出来上がったら、最初、それを天に捧げる。乳製品を捨てたり、汚したりすると罰が当たると信じられている。また、オボーなどの祭りや大切なお客様を迎えるにはチーズや馬乳酒やモンゴル・アルヒ(ミルクによる蒸留酒である)などを用いることが基本である。(つづく)

※この記事はTHE PAGEの写真家・アラタンホヤガさんの「【写真特集】故郷内モンゴル 消えゆく遊牧文化を撮るーアラタンホヤガ第2回」の一部を抜粋しました。


アラタンホヤガ(ALATENGHUYIGA)
1977年 内モンゴル生まれ
2001年 来日
2013年 日本写真芸術専門学校卒業
国内では『草原に生きるー内モンゴル・遊牧民の今日』、『遊牧民の肖像』と題した個展や写真雑誌で活動。中国少数民族写真家受賞作品展など中国でも作品を発表している。
主な受賞:2013年度三木淳賞奨励賞、同フォトプレミオ入賞、2015年第1回中国少数民族写真家賞入賞、2017年第2回中国少数民族写真家賞入賞など。

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