ドジャースのダルビッシュが明日初のWSのマウンドに立つ(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワールドシリーズで本塁打が乱れ飛んでいる。

 2試合を終えて1勝1敗のタイとなっているが、すでに11本。ドジャース対アストロズのワールドシリーズ第2戦は、延長にもつれこむ激戦になったが、9から11回までの3イニングで、両軍合わせて6本塁打が乱れ飛んだが、1試合8本塁打は、ワールドシリーズ最多となった。

 登板を明日に控えたこの日、ダルビッシュは、会見で、ヒューストンが今年8月終わりにハリケーン「ハービー」の被害を受けたことに触れながら、こんな話をした。

「ドネーション(寄付)した分、自分だけ飛ばないボールを使わせてくれないかなあとは思います」

 飛ぶボール問題は、ピッチャーにすれば深刻だ。

 ただ、こういう展開はある程度、予想されていたこと。今季、レギュラーシーズンでは、年間の総本塁打が6105本に達し、これまでの5683本(2000年)を大幅に更新した。

 ちなみに、データ的に、本塁打量産の傾向が始まったのは2015年の後半から。例えば、フライに対する本塁打の比率を調べると、15年の前半は10.7%で、それまでとさほど変わらなかったが、後半は12.1%に上昇。歴代3位の本塁打数(5610本)となった昨年は、前半が12.9%、後半が12.7%で、今年は前半が13.7%、後半が13.6%となっている。

 では、なぜ、そうした傾向になったのか。第2戦の終了後、アストロズのダラス・カイケルが、ニューヨーク・タイムズ紙の取材に対して、「ボールが飛ぶようになったのは間違いない」と強調していたが、今年に入って例えば、「ザ・リンガー」というサイトが、6月に、14年5月から15年7月とそれ以降のボールに関して、比較検証していた。

 それによると、サンプル数が36個と少ないものの、後者の縫い目の高さが、平均で0.6ミリ低くなっており、反発係数が、0.005大きくなっていたそうだ。そして、この2つの組み合わせにより距離が約6フィート(約182センチ)も伸びると紹介していた。縫い目に関しては、約4年前に、全米体育協会(NCAA)が、縫い目の高さと飛距離の関係を調べたところ、高さを0.048インチから0.031インチに低く変えることで、空気抵抗が減って平均20フィート(約6.1メートル)も飛距離が伸びることが分かっている。

 それに対して大リーグは、ボールの仕様の変更を認めていないものの、00年に公表した反発係数などの基準は、あまりに許容範囲が大きく、ボールの飛距離が最大で49フィート(約15メートル)も異なる可能性があるという。となると、基準内で飛ぶボールを作ることは可能ということにもなる。

 そういう背景を受けてフライボールバッターが増えた。

この記事が気に入ったら「いいね!」をお願いします