吉田沙保里の結婚嘘情報拡散の背景に女子レスラーのインスタ流行(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

広告の仕事で扮した花嫁姿の写真をInstagramへ投稿したのをきっかけに、女子レスリングの吉田沙保里(34)が結婚したという誤報が世界中に発信される事件が7月末に起きていた。8月8日におこなわれた全日本合宿の取材公開日で、吉田本人が「困りましたよ~」と明かしたことで日本のマスコミも報じたわけだが、この背景にはレスリング選手、とくに女子レスラーの間でInstagram(インスタグラム)への投稿が、ちょっとしたブームになっていることが関わっている。

 写真にコメントをつけて共有するSNSであるInstagramは、女性ユーザーが多いことで知られている。日本人有名アカウントだけをみても、タレントの渡辺直美(フォロワー数700万)、ローラ(465万)、水原希子(460万)、木下優樹菜(400万)など、上位は軒並み女性有名人で、コメント欄をみてもほぼ女性で占
められている。Instagramは、スマホネイティブ世代の女子にとって必須アプリだ。実際に、その世代にあたるリオデジャネイロ五輪金メダリストの登坂絵莉(23、東新住建)、川井梨紗子(22、ジャパンビバレッジ)、土性沙羅(22、東新住建)らは、3~4年前からInstagramユーザーだ。

 これまでのInstagramの楽しみ方は、好きな有名人をフォローして、ハッシュタグ検索などをし、お気に入りのファッションやコスメ、スイーツなどが並ぶタイムラインを眺めること。自分から発信するときは、厳選した、オシャレでかわいい一枚を選んで投稿する。そのため、更新の回数はそれほど多くなかった。

 彼女たちの更新頻度が変わったのは、昨年のリオ五輪が終わって一段落したころ、吉田沙保里がInstagramユーザーに加わってからだ。

「フォロワー数を増やしたい」とテレビ番組でも語ったことがある吉田は、毎日、たくさんの写真や動画を撮影して公開している。母校の練習場でウエイトトレーニングをする後輩たち、合宿中の補強練習の様子、朝練習に出かけるところ、食堂での食事風景、イベントなどに出席する前の楽屋、可愛がっている栄和人監督
の娘や姪っ子たちが無邪気に遊ぶ姿、など写真と動画であふれている。フォロワー数増を相談した番組でも写真の撮り方を改善するよう指摘されたからか、以前のように思いついたときにただ撮るのではなく、フォトジェニックな画面構成になるよう、ポーズや角度などに気をつかった投稿が増えている。

 交友関係が広い吉田は、相手がどれほど有名人でも屈託なく撮影して公開する。卓球の福原愛、フィギュアスケートの浅田真央と3人での食事会の様子や、女優の深田恭子とのツーショットなど、Instagram更新そのものがニュースとなることもしばしばだ。

 毎日のように撮影して更新する吉田に触発されたのか、他の女子レスラーたちによるInstagram更新も増えた。吉田と違い、彼女たちが主に更新しているのはInstagram Stories。日本ではユーザーから「ストーリーズ」と縮めて呼ばれるこの機能は、スマホで撮った写真や動画のなかから、好きなものを選んでスライドショーとしてつなげて表示する。吉田ももちろんストーリーズも投稿しているが、他の写真と動画と比べると主たる更新とは言いがたい。

 登坂は外出先で友人たちと過ごすリラックスした姿を、川井は、大好きな倖田來未や同級生、初めて世界選手権代表に選ばれた妹の川井友香子(至学館大)をよく撮影している。土性は、仲がよい先輩たちとふざけあう様子や、プロ野球阪神タイガースの応援、発売されたばかりのお気に入りマンガや音楽の画像にウィットに富んだコメントを添えている。