撮影:高橋邦典

 バングラデッシュの首都ダッカから北西におよそ150キロにある農村ライガンジ。

 バンガリ川に面する水田地帯で、用水地や貯水池の多い地域だ。水溜めが多いのに、柵など作られていないので、子供の溺死事故が後を絶たない。大人がちょっと目を離した隙に、幼児が貯水池に落ちてしまう。この村のみならず、水田の多いバングラデッシュでは、毎年少なくとも1万2000人もの子供達が溺れて命を落とすという。

 溺死事故を防ぐために、NGOによってライガンジに保育園がつくられた。しかし、保育園だけでは問題の解決にならないので、 保育士の育成もおこなうようになった。その結果、5年間で、子供の溺死を70パーセント減らすことに成功した。

 お金だけ寄付したり、建物を建てたりするだけでは、将来に続く援助にはならない。NGOの存在がなくなってもコミュニティーが自立していけるような仕組みをつくることこそ、本来あるべき援助の姿なのだろう。

 安全な環境で目を輝かせた子供たちが学び、遊ぶ姿を見て、親たちも安心して働きに出られるというものだ。

 2016年3月撮影

(写真・文:高橋邦典)

※この記事はフォトジャーナル<世界の学校事情>- 高橋邦典 第48回」の一部を抜粋したものです。

フォトジャーナル<世界の学校事情>- 高橋邦典 第48回

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