「女性は生まれつき技術者に向いていない」と主張した差別的な文書を公開したグーグルの社員が解雇されるという騒ぎがありました。

差別的な文書として社員を解雇

(ロイター・アフロ)

 米グーグルに勤務するソフトウェア技術者は、今月初め、社内のメーリングリストに「男性と女性の能力には違いがある。理由の一端は生物学的なものだ」「指導的立場にいる女性が男性よりも少ないのはこの違いが原因かもしれない」といった差別的な文書を公開しました。

 グーグルは、ダイバーシティ(多様性)を重視しており、女性の技術者を増やそうという取り組みを行っていますが、今のところ技術職に占める女性の比率は2割にとどまっています。グーグルは「一線を越えた」として、文書を公開した社員を解雇しました。

男性と女性の差異は先天的? 後天的?

 男性と女性で生物的な違いがあるという主張は、以前にも問題になったことがあります。クリントン政権で財務長官を務め、その後、ハーバード大学学長になった経済学者ローレンス・サマーズ氏は、自然科学の研究者に女性が少ないのは「本来備わった男女の差異」が原因であると発言し、大問題となりました。

 この発言を受けて、大学の教職員会議は学長の不信任動議を可決し、最終的にサマーズ氏は学長の辞任に追い込まれました。米紙の報道によると、ハーバード大学で学長の不信任動議が可決されたのは大学創立以来、初めてのことだそうです。

 男性と女性の差異は先天的なものなのか後天的なものなのかという問題は、以前から議論の対象となっていますが、ウーマンリブやフェミニズムなど、いわゆる女性解放運動の成果もあり、現在では男女の差異は社会的に作られる部分が大きいという考え方が主流になっています。

 男女の能力の違いが社会的なものであれば、女性の比率を強制的に引き上げることで、違いをなくすことが可能となるかもしれません。一方で、男女の差異は先天的なものであるとの主張も一部には残っています。

 この問題は、影響するパラメーターがあまりにも多く、単純なモデルで検証することができません。また、感情が大きく関係しますから、冷静な議論が難しいという面もあります。

(The Capital Tribune Japan)

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